魔の法
少女
いつからか
二人の少女が
二階から
現れ始めた
今時の少女より
古臭い雰囲気を
醸し出す
垢抜け切れない
思春期の少女達
生意気な口調で
愉快に語る言葉は
『 死』を綴る
まるで
旅行先の宿泊施設を
愉しむ様に
二人の少女達は
笑いながら
二階へと
消えてゆく
しばらくして
天井に響く
軋む足音が
止み
二階 階段上
一人の少女が
死に絶える姿を
僕は
階段下から
ただ 見上げている
同じ悪夢を
繰り返し見る僕は
日に日に
少女達の『 死』を
悼む心さえ失い
感情さえも
湧かなくなった