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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第三十三話

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一通りの挨拶を済ませて久しぶりに高木の両親と拓真は向かい合っていた。
加藤が話しずらいことがあるといけないと思い、両親は海斗に自分の部屋にいるように伝えてあった。

「拓ちゃん、大きくなったね~カッコいいわ」

そう母親は見るなり言った。

「おばさん、恥ずかしいですよ~」

「ううん、男の子はね見てくれも大事なの。うちの子はどちらかというとひ弱いからあなたが羨ましいわ」

「海斗は頭いいからおれなんかより立派だよ、おばさん」

「就職に役立つといいんだけどねえ~。海斗から聞いているけど、あなたも先生と付き合っているとか、その話を聞かせて欲しいわ」

拓真は相手から切りだしてくれたのでほっとした。美穂とのことを最初から丁寧に話をした。そして富山の両親からよろしくと言われたことも伝えた。

「川野先生は素敵な方だからあなたもお父様も納得したのでしょ?海斗は違うから心配なの。子供さんが居る人とそれも20歳も年が離れているのよ。この子が幸せになれるなんて思えないの」

「おばさん、幸せになれるかどうかなんて相手がだれであっても解らないと思いますよ。おれだって解らない。でも幸せになろうとする自分には川野先生しかいないんだと思う気持ちは強いんです。生意気ですが男と女は好きかどうかの気持ちが一番大切なことだと考えています」

「海斗が高橋先生を好きであれば、あなたは幸せになれると思うの?」

「幸せは海斗と先生が作ってゆくものです。子供だって親が仲良くしていればそのうち懐くと思います。それに新しく二人の間に子供が出来たら家族としての自覚も生まれるでしょう。おれは、年齢よりも、子供が居ると言う事よりも、二人の心の強さと海斗の責任感が大切だと思うんです」

「拓ちゃんはいつの間にそんなに大人になったの。とても海斗と同じ年だとは思えないよ。ねえ、お父さんどう思う?」

それまで黙っていた海斗の父親が初めて口を開いた。

「聞いていて感心したよ。川野先生も君なら文句ないだろう。確かに年齢の差は埋めようと思えば埋まるだろう。高橋先生の子供さんも海斗のことをちょっとずつお父さんだと考えてくれるようになるのかも知れない。父親としては海斗が男としての責任を果たせるなら思い通りにしてもそれはあいつの人生だから自分で決めればいいと思う。ただし、卒業してきちんとした会社に就職することが条件だな」

「おじさん、海斗は高橋先生のためなら頑張れると思います。それはおれが保証します。おれも父さんの仕事を手伝って卒業したらすぐに働きます。川野先生には学校を辞めてもらっても構わないと思っているんです。今は自分のことより川野先生の思いを決して裏切らないように頑張りたいんです」

「拓真くん、海斗も君と同じだというなら私たちは反対しないよ。自分の子供の幸せを願わない親はいない。高橋先生が海斗を真剣に愛してくれているのなら、困難があっても乗り越えて行けるだろう。君と川野先生とそして高橋先生の三人で海斗ともう一度会って話をさせてくれないか?」

「はい、川野先生に伝えます。海斗と話をさせてください」

拓真は自分の部屋にいた海斗に今日のことを伝えた。
次は四人で会って両親を納得させるんだ、その言葉に海斗は満面の笑みを浮かべていた。