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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第三十一話

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美穂は話しを終えて自分のことのように嬉しさがこみ上げてきた。
午後の授業を終えて、帰り道話は早い方が良いと考え歩いて拓真の家に向かった。

「こんばんは。突然すみません、拓真くんとお話がしたいので伺いました」

玄関で出迎えたのは妹だった。

「お兄ちゃん!先生が来たよ」

「えっ?先生が」

工場の方で作業をしていた父親が美穂に気付いて駆け寄ってきた。

「先生、どうされたのですか?ここではなんですから、上がってください」

「いえ、すぐに済みますので玄関先でお話させてください」

「そうですか、わかりました」

美穂は拓真に高橋から話を聞いたことを伝えた。そして、高木の両親に一度会って二人のことを認めるように頼んでほしいと話した。

「美穂、わかったよ。おじさんとおばさんに一度会って話してみるよ。明日学校で高木と打ち合わせするよ。行く時が決まったら連絡するから待ってて」

「うん、ありがとう。よろしくお願いするわ。じゃあ、ご飯でしょうからこれで帰るわ」

「気をつけて、またね」

美穂は少し肩の荷が下りた。高木の両親が認めてくれたら結婚への障害の半分は消える。後は子供のことだけ考えれば、高橋はいまよりはずっと前向きになれるだろう。
加藤が自分との話を持ち出せば、高木の両親も頭から否定したりはしないかも知れない。
もし、依頼があれば高木の両親と会うことも進んで受け入れようと決めていた。

翌日加藤は昼休み時間に高木を呼び出して、校庭で美穂から聞いた話を切りだした。

「なあ、高木、おれと美穂先生とのことをお前の両親に話すというのはどうだ?おじさんも頭ごなしに反対したりすることが出来なくなるって考えるんだけどどうだ?」

「お前が親に話をしてくれるって言うのか?それって美穂先生に頼まれたのか?」

「美穂先生はおまえと高橋先生とのことをとっても心配している。昨日家まで来てくれておれに話したぐらいだからな。早い方がいいって思ったんだろう」

「そうか、それとなく父さんと母さんには話しておくから今度の日曜日にでも来いよ」

「ああ、わかった。そうするよ」

拓真は家に帰って父親に今度の日曜日に高木の家に行くことを話した。
高木のことは驚いていたけど、役に立てるのなら頑張ってやれ、と言ってくれた。
美穂にもそのことを伝えて拓真はあれこれ考えながら過ごす日々が続いた。

学校では修学旅行が近づいて、注意事項の確認や持ち物の確認を早めに済ませておくように二年生全員に話した。
加藤が高木の家に行く日曜日は修学旅行の出発八日前のことだった。