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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第三十一話

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授業が終わって、職員室へ戻る途中で美穂は高橋と出会った。

「川野先生、お疲れ様です。この後授業はありますか?」

「高橋先生、いえ、午後までありませんけど」

「そう、ならお昼ご一緒しません?」

「いいですね、では終了のチャイムが鳴ったら伺います。お弁当買っておいた方がいいですか?」

「私の方が今はやることが無いので、買っておきますから何も持たずに来てください」

美穂は何か話があるのだろうと思った。
約束通りに12時過ぎに保健室へ行くとコンビニで買った幕の内弁当が二つ置いてあった。

「こんなものでよろしかったかしら?」

「ありがとうございます。高橋先生おいくらでした?」

「端数はいいから500円よ」

弁当を食べながら美穂は尋ねた。

「先生、お話があったのですよね?」

「ええ、そうよ。私ね、ずっとあなたに言われてから考えていたの。もうすぐ離婚が成立するから、息子にきちんと何故離婚したのか、これからどうするのか話そうと思っているの」

「そうでしたか、それがいいと思います」

「今は解ってくれなくてもしっかりと生きて行けば息子も理解してくれると思っているの。新しいお父さんのこともゆっくりと話すつもり」

「新しいお父さん?決めたんですか?」

「勇気がいったけど、彼の言葉を信じようと思うの。今の私には彼以外に信じられる男性はいないし、他を探すという気持ちにもなれないの」

「そうでしたか、良かったです。高木くんは頭もいいし、何より先生のことを好きでいると解ります。彼にとってご両親を説得することに時間がかかるとは予想できますが、私が加藤くんに応援してくれるように話しておきます」

「うん、ありがとう。幼友達の加藤くんだから、彼のご両親もよく知っているので話は聞いてくれると思えるわ。偶然の一致だけどあなたと境遇が似ていることが救いになっている。本当に感謝よ」

「いいえ、初めは先生と高木くんとのことを反対していたのに、こんなことを話している自分が恥ずかしいですわ」

「そんなことないですよ。川野先生が私に関心を示してくれなかったら、私は一人で苦しんできっと彼とは別れていたと思うわ。それも最悪の状況で離婚が泥仕合になっていたかも知れないって考えると、今は幸せだわ。加藤くんによろしく伝えておいてください」

「わかりました。これからは私たちとご一緒に会って仲良くしましょう」

「そうね、旅行とか行けるといいね」

「はい、ぜひ計画しましょう。息子さんも打ち解けてゆくだろう良いきっかけになると思います」

「そうなると嬉しいわ~」