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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第二十九話

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今日はエアロビをやめて自宅に帰ってきた美穂だったが、深夜になっても
高橋の切ない気持ちと高木の真剣な思いが交錯して眠れなかった。
自分に何が出来るのか、拓真と一緒に考えたいという気持ちが少しずつ重苦しかった胸の内を整理してゆく。

いつもの時間に目覚めたが身体はだるい。
熱いシャワーを浴びて目を覚まそうと浴室に向かう。
そう言えばこの頃エアロビの成果なのか、節制に努めている結果なのか、身体が引き締まってきていると鏡に映った自分を見て感じた。

これなら拓真は文句ないだろう、そんな思い上がりの気持ちも何だか嬉しい。
少し腫れている瞼をごまかすためにいつもより濃くアイシャドウを入れる。
時にはこんな化粧で授業も許されたいと願う。

「起立!礼!」

「おはよう。着席してください」

「あれ?先生化粧が濃いですね・・・何かありました?」

「鋭い指摘ね、いつもあなたは。昨夜はよく眠れなかったから仕方なかったのよ」

高木はいつも美穂の様子を観察しているようだ。加藤には解っていてもそういう態度に嫉妬する。

「高木の言う事なんか気にしないで授業始めてください!」

「あら、加藤くん、嬉しいこと言うのね。そうよね、男子にはこんな話しても解らないわよね。では教科書開いて前回終了した蒙古軍のところで追加したいことがあるから聞いて。日本の鎌倉武士軍はよく戦って蒙古軍を神風が吹いたとはいえ追い返した。この勝利を喜んで命がけの働きに応じる恩賞を期待していた御家人や豪族たちはほとんどが満足する褒美を貰えなかったの。何故だかわかる人?」

「はい、それは相手が外国人だったからです。逃げてしまって奪い取るものが無かったと言う事ではないでしょうか」

「渡辺くん、いいところに目を付けたわね。国内の戦いだと勝った方が相手から領地を奪い褒美として与えていたの。平家を破った源氏がそうだったようにね。しかし、今度の戦いでは自前で兵士を雇い入れ、食料を調達し、船を調達し、命まで賭けたのに何の恩賞ももらえないということが続出したの。わずかな金品や地位は与えられても奪った土地が無いから領土は与えることは出来ない。武士にとって最大の褒美は土地なの。そこを開墾して収穫を得られないと食べて行けなくなるからね」

「先生、鎌倉幕府が均等配分相続制をとっていたので、親からの土地はどんどん相続を繰り返す間に小さく分割されてゆきました。みんな新しい領地が欲しかったということですね?」