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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第二十八話

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「私の両親は初め反対したわ。考えられないってね。でも拓真が頭を下げて幸せにしますからって言ってくれて感激したみたい。高木くんも心から高橋先生を幸せにしたいと思うなら、まずは自分の親に話して協力してもらえることね。向こうは離婚したばかりだからまだ話すのは早いって思う」

「そうですね。そうします。先生、加藤と幸せになってください。おれ、応援しますから」

美穂はその言葉を聞いて涙がこぼれた。高木も自分たちと同じように結婚出来たらと思うようになった。話を終えて美穂は職員室から保健室に高橋教諭を訪ねた。

「今お時間いいですか?ちょっとお話したいことがあって伺いました」

高橋は書き物をしていたが手を止めて少しなら構わないと返事をした。

「川野先生、わざわざ何の用事なのかしら?」

「率直に言いますと先生と高木くんとのことです」

「私と高木くんとのこと?彼が話したの?」

「いえ、実は私は加藤くんと婚約しました。まさかって思われるでしょうが、実家に一緒に行って私の両親と話をしたんです。その時に加藤くんが高木くんのことを話してくれたので気になっていて、新学期になったら話がしたいと考えていました。お節介だと思われるでしょうが、お話聞かせて戴けるとお手伝いが出来るのかと思っています」

「そう、結婚するの。すごいわね、よくお互いのご両親が許されたわね。あなたが私たちのことに気付いていたことは知っていたわ。あなたが独身で少しは私より若いことが羨ましかった。今は離婚話が進んでいるから独身になったようなものだけど、息子のことはこれからだから第一に考えないといけないの。高木くんは真剣に言ってくれるけど、彼の人生を誤らせてはいけないって思うのよ。違う?」

「私も話しを聞いてそう思いました。でも、もし彼が高橋先生のことを真剣に愛していて、幸せにしたいと考えているなら、歳の差は気にされなくても良いと思います。私もずっと気になっていた歳の差が今では気にならなくなりました。その大きな理由は彼が真剣に愛してくれているという実感でした。両親も彼の気持ちに嘘が無いと信じて許してくれました。高木くんの両親が認めるなら前向きに考えてあげてもらえませんか?」

「川野先生、お言葉ですが高木くんの気持ちが真剣であれ、私の気持ちが同じであっても息子の気持ちが第一なんです。解りますか?」

「はい、わかりますよ。時間をかけて息子さんにはお話されれば良いと思います。母親の幸せが自分の幸せに感じられるようにきっとなりますよ。それに新しく子供が生まれればお兄ちゃんですから、家族という絆も感じられるようになると思います。独身の私が偉そうに言うことではないのですが」

「あなたは・・・素晴らしいわ。私は今日こうしてお話が出来ていなかったら大変な過ちを犯すところだった。恋をすることは女を成長させるのね。私も成長しなければいけない。これからのことは前向きに考えてゆくわ。本当にありがとう」

美穂と高橋は抱き合って泣いていた。