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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第二十六話

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「ああ、20歳違うよ」

「それに子持ちか、好きになったら仕方ないけど苦しいなあ、海斗は」

「ありがとう。解ってくれるのはおまえだけだよ」

拓真と海斗はお互いに秘密を守ることで明日からの学校では普通にしようと言い合った。
夜十時を回ることなく家に帰ると父親と約束をしていた拓真は海斗との時間が名残惜しかったけど帰ることにした。

「父さんとの約束があるから帰るよ」

「ああ、そうしろ。おれも帰らないと明日学校に遅れそうだよ」

「じゃあな、俺たちずっと友達で居ようぜ。辛い事は何でも話してくれ。おれも相談があれば言うから」

「拓真、大人になったなあ~。美穂先生と仲良くしろよ。浮気はダメだぞ。おれもしないからお前もしないって約束しろ」

「もちろんだ。お互いにな」

海斗は拓真を羨ましく感じていたし、拓真は海斗の大人のような態度に感心していた。二人の共通の秘密が永遠ではないことを祈るばかりだ。

新学期が始まって最初の社会の授業がやってきた。
少し髪を短く切った美穂は明るめのパンツスーツでやってきた。

「起立!礼」

「おはようございます。着席!」

「新学期ね。皆さんと初めてここにきて五か月が経ちました。二学期は修学旅行もあるし、文化祭や体育祭もあって何かと忙しいけど、勉強も頑張りましょう」

「先生、髪切ったんですね」

「そう、よく気が付いたわね、高木くん」

「似合っていると思います」

「嬉しいわ~女心をよく知っているのね、さすがだわ。では教科書を開いてください。今日は日本が初めて外国から侵略された蒙古襲来について話すわ。何か知っている人いたら手を挙げて」

「はい、先生」

「では渡辺くん、答えてください」

「モンゴル帝国が最初九州に上陸して戦ったのが文永の役(ぶんえいのえき)、七年後に再び攻めてきたのが弘安の役(こうあんのえき)です。どちらも日本が勝利して難を逃れました」

「そうね、モンゴル帝国は何故海を渡ってまで日本を攻めようとしたのかしら?」

「はい、それは日本を配下に組み入れて世界制覇を狙っていたんだと思います」

「実質、蒙古軍のモンゴル帝国はユーラシア大陸のほとんどを支配していたから、次は日本だってなったのかしら。だとしたら目的があるはずよね。命がけで侵略するほど領土的には広くないし、行き来も不便だからきっと何かを奪おうとしていたんだと思うわ。何だと思う?」

「金でしょうか?」

「さすがに高木くんね。その頃日本は黄金の国ジパングと言われていた。すべてを手に入れていたモンゴルの王クビライ(フビライ)は黄金に目がくらんでいたのよね。もう一つ欲しいものがあったの。それは何だと思う?」

この美穂の質問には高木も答えられなかった。