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K4

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 その通りだった。占い屋さんは、感謝していた。螺旋回廊の奥に店があった頃からふさは高頻度で通っていたが、それはまだ郵便屋さんの設定として出来上がるより前からだ。偶然見れる逢瀬が少しずつ話題になって、店の場所が不便だという要望も相まって街の奥の奥から日の当たる所まで来た経緯がある。ゲーム内のチャットログ自体は何処に居ようが見れるのは変わらないが、自分が中に居るキャラクターに話しかけられるのは尊いものがあった。
「私は、郵便屋さんの言いたい事が言えるのに、憧れます」
 郵便屋さんとふさはあまりにも乖離していた。そんな役作りが出来るのなら何をおくびれる必要があるのかと思うけど、ふさを見るに出来ないものは出来ないといった様子なのは判る。それで苦労もする。
「今何も待たずにふさの前に行ったらダメ?」
 何を不安に思ってこんな事を言い出したのか判らなかった。
「それは……困ります。何も言えなくって」
 ふさがガラス細工を作りに行く時に私を連れて行ったのは、趣味を知って貰いたかったからだろう。アプローチとしては充分じゃないだろうか。
「ダメだよだってふさ、全然可愛くないもん」
 服だって髪だって全く気を使ってないし、バレッタだって私の髪飾りを見ずに自分の好きな物を作ったんだろう。普段話す時でも話題を出してもくれないから大変だ。相槌だけでは間が持たないものがある。ただ本人が自覚している事をわざわざ小突き回す必要はない。
「あの時私が何色の髪留めをしてたか覚えてる?」
 長い間があった。気にかけてないだろうから、覚えているとは思えない。
「ごめんなさい。覚えていないです」
「だよね。でもね、髪飾りくれたのは嬉しかったよ」
 私達はあまりにも複雑に引っ付きすぎていた。郵便屋さんの占い屋さんへの好意が、はっきりとふさが私に伝えてくれれば良かったのに。今この時ですらそれを判断するのが難しい。ふさは出来るのならそうしたいと言っていた。一方的な好意を真っ直ぐに向けてくれれば良いのに。
「ふさ、全然可愛くないから、髪は綺麗に切りに行こうよ。服も一緒に選んであげる」
 ふさの事は全然判らなかった。私に好意を持っているのは判る。
「自分にだって可愛い小物持てば良い。今度作る時には私に似合う物を作ってね?」
 ちょっとくらい世話を焼いて女の子らしくしてもらっても良いだろう。饒舌で情けないんだからもう戸を蹴破ってどんな顔してるのか見てやりたくもある。
「私と付き合おうと思ったらこれっぽっちも足りてないよ、ふさ」



―――アップデートの詳細内容です
 システムアップデート
・ロード画面のCGを追加しました

 新たなアイテムを追加します
・召喚スクロール16を追加します
使用すると占い屋と郵便屋を召喚、ラブラブアタックを行います
作品名:K4 作家名:レオナ