お星さまとギター
「俺の求めていたものが、あそこには無かった……俺が求めていたのはお客の笑顔だったんだ。ロックンロールでも同じ。俺の歌で喜んでくれる人の笑顔が一番だったんだ。今日は、あそこには無かったと言う事さ。これからはフライパンでお客を笑顔にしてみせるさ。そうすべきだと歌っていて想ったんだ。もう心配は掛けさせないよ」
「いいの? 悔いは無いの?」
「ああ、これからも趣味では歌ったり弾いたりするけどな。それに俺の傍には一番のファンが居てくれるしさ……」
純ちゃんはいつの間にか私の横に座っていて、そっと肩を抱いてくれた。見上げるとやっぱり満天の星空で、純ちゃんにお星様は似合うと想った。