年賀 そして、元旦
そんな彼女に、櫻澤はこんなことを言いました。
「そうだわ。あなた、今年の4月ぐらいに副店長になれるように、上に頼んでおくわね」
小柴さんは、またまたびっくり。
「え、え、私がですか?」
「そうよ。何か不満?」
「い、いえ、そんなことはないですけど…」
上司の発言に戸惑った小柴さん。櫻澤は、部下の手を取って、力強く言いました。
「今年は、副店長として恥ずかしくないように、一層頑張ってね。私もサポートするから」
「はい、ありがとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします!」
小柴さんは、深々とお辞儀をしました。
初日の出の光が当たったように暖かい雰囲気の空間に、見かけは美しくも心の冷たいブティック店長は、どこにも居ませんでした。
その後、櫻澤音々は、最低でも月に1回は高齢者施設等を訪れ、災害の際は真心から支援を手伝う、美しきボランティアリーダーとなったそうですよ。
この物語を最後まで読んでくださった皆様も、どうぞ良い新年を!
おしまい