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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第二十三話

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13日の昼前に家を出た美穂は加藤自動車へ拓真を迎えに行った。

「おはようございます」

「先生、お待ちしていました。拓真、早くしろ」

父親が整備している手を止めて、そう言った。

「父さん、行ってくるよ」

「ああ、気をつけてな。先生のいうこと聞くんだぞ。それから渡したお金は先生の分も払うようにしろ、いいな」

「わかったよ。じゃあ、着いたら電話するから」

「お父様、では行ってまいります」

笑顔で父親は美穂の運転するミニクーパーを見送っていた。

車は順調に高速道路を走って、途中ひるがの高原パーキングエリアで休憩した。

「ここのソフトクリームは美味しいって聞いたわ。食べましょう」

「いいね、外はやっぱり蒸し暑いから美味しく感じると思う」

「そうね、高原と言ってもこの時期まだ昼間は暑いわ。さて、二人で一つにする、それとも一個ずつ食べる?」

「美穂と二人で食べたい」

「うん、そうしよう」

道路を挟んで向かい側に見える、ひるがの高原と、反対側の山並みを見ながらベンチに座って食べ始めた。

「ねえ、お父様には言わなかったけど、今夜は高山に泊まることにした。グリーンホテルっていうところ。明日の朝早くに出て、国道で富山市内に向かうわ」

「ほんと?ホテルに泊まるの」

「約束したでしょ、あなたに我慢させたお礼にって・・・」

「そうだったね。美穂、本当なんだね?おれたち仲良くするって」

「ちょっと怖いけど、朝からお腹が痛いから安心は安心なんだけど、無理になるかも知れないから、その時はごめんね」

「ええ?お腹が痛いのにソフトクリーム食べてていいの?」

「胃が痛いんじゃないのよ、ハハハ~」

「わかんないよ、じゃあ腹?」

「女の子になるっていうこと、もうすぐ」

「あ~、そう言う事か。タイミング悪いね」

「こればっかりは選べないから仕方ないわ。その時は前にしたようにするから我慢してね」

「美穂とずっと一緒だから今は嬉しい。気にしなくていいよ、大人にならなきゃ」

「偉いのね。あなたは間違いなく成長している。ところで高木くんのことなにか聞いてない?」

「高木のこと?高橋先生との関係のことかな?」

「うん、あのね、高橋先生は実家から学校へ通うようなこと言われたから、ひょっとして離婚されるんじゃないのかって考えたの。だとしたら高木くんとのことがバレたと思えるの。大変なことにならなきゃいいんだけど」

「ふ~ん、そうなんだ。何も聞いてないけど、多分来週ぐらいに会うから聞いてみるよ」

「そう、会うの。どこかに行くつもりなの?」

「たぶんね。まだ決めてないけど、泊まりで海にでも行こうかって話している」

「海ね~いいわね。私は日焼けが苦手だから海はパスね。そうだ!今日のホテルのプールに入ろうよ。水着は借りれなかったら買えばいいし」

「プールか・・・いいね、美穂は泳げるの?」

「富山出身よ。子供の頃はよく海に行ってた。拓真は大丈夫なの?」

「ああ、普通ぐらいは泳げるよ」

「じゃあ、決まりね」

ひるがの高原パーキングエリアを出た美穂たちは、次の飛騨清美(ひだきよみ)インターで降りて、バイパスから一路高山市内へと入っていった。