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桜井         スポーツが大の苦手。引っ込み思案で、あまり人を信用できない。

デンジャー      ラグビーさながらのバスケで相手からはいつも目をつけられているが、“最強の味方であり最後の鉄壁”と言われ、頼られている。

金やん(かなやん)  チームリーダー。中一の頃バスケ部に入部するも、腕を故障して自ら退部。完治以降は球技大会のバスケで活躍を続けている。

チーター       チーム副リーダー。学年対抗リレーにも出場するほどの快足の持ち主で、コート中を縦横無尽に駆け回り、圧倒する。

ハッピー       運動は元々そこそこだが、天性の努力家で上達が早い。いつもポジティブでい続けようと笑顔を絶やさない。

学級長        クラスの学級長を務めるしっかり者。冷静な分析力をもち、相手の情報入手やチームの作戦に大きく貢献。

お嬢         メンバー内最強の女子力の持ち主。運動はあまり得意ではないが、メンバーが緊張や不安の中にあるとき、いつも和らげてくれる。

のんちゃん      あがり症でプレッシャーに弱い。“ごめん”が口癖。抜群の持久力とロングシュートの決定率をもつキーマン。

ミラコー(ミラクル) デンジャーに匹敵する守備力をもち、中一から無失点の伝説を保ち続けていることから、“守護神”の異名をとる。

母          桜井の母。


第一場

体育館。
初夏を描写する音声。

ハッピーが黙々と走っている。
デンジャー、金やん、チーターがやって来る。
ハッピー止まる。

デンジャー お~ハッピー、もう来てたの?
ハッピー  いやぁ、今来たとこ。
チーター  いや、汗かいてるし。え、何?影錬ですか?
ハッピー  違うよ~。皆様の足、引っ張るわけにはいかないんで。
デンジャー おぉ~、やる気あんねぇ。
ハッピー  だから~、違うっ――。
チーター  照れなくていいんだよ。試合やってみよ?
ハッピー  うわぁ、リンチにしか聞こえない。
デンジャー みんな、怖いって。
ハッピー  あんただよ!あんたが一番雰囲気出してる。

デンジャー、笑顔でハッピーと肩を組む。

ハッピー  肩を組んでほらもー笑顔でこわぁーい。
金やん   ハッピー、ボール。
ハッピー  犬みたいに言うな。
デンジャー ハッピー、リーダーのお達しだよ。
金やん   ハッピー、ボール。
ハッピー  後で絶対数学教えない。

ハッピー、ボールを取りに行く。

金やん   謝ったほうがいいかなぁ?
チーター  平気じゃん?明日には忘れてるでしょ?
ハッピー  (戻って来て)鶏かッ!

お嬢と学級長が入って来る。

チーター  おー(嬉しそう)。
お嬢    あ、みんないるー。チーター、何でそんな嬉しそうなのよ?
チーター  いやぁ・・・メンバーに唯一の女子が!
お嬢    やだチーター、何それ。手作りのケーキがいーい?それともクッキー?
チーター  ハートのクッキーがいいでーす☆
学級長   え?私、カウントされてないの?!
デンジャー ビミョーなんじゃん?
学級長   いや、デンジャーに言われたくないなー。
デンジャー え?何?ガラスのハートが壊れちゃうんだけど。

全員、沈黙。

金やん   あ、ごめん、絶句しちゃった。
デンジャー (怒)
チーター  あ、ごめんね。そんなつもりじゃなかったんだけど、言葉が何も出てこなかった。うん、マジで何も――。
デンジャー チーター!
チーター  いいのかなー?副リーダーに逆らって。

のんちゃんとミラコーが入って来る。

ミラコー  いえーい。

全員、“イエーイ”。

金やん   和んだぁー。
ミラコー  何?何かあったの?デンジャー。
デンジャー え?え?なぜ?なぜ私ピンポイント?
のんちゃん 大体分かんじゃーん。じゃなきゃデンジャーなんてあだ名付かないでしょー。
デンジャー (怒)
のんちゃん ごめんなさい、ごめんなさい。えっと、こんな日は・・・?
デンジャー なんて日・・・言わないよ!
のんちゃん うん。もう大体言っちゃったけどね。
デンジャー (怒)
のんちゃん あ、ごめんごめん。ホントごめん、マジごめん。
金やん   何回言ってんの。
のんちゃん デンジャー、今度、アイスおごるよ。
デンジャー ほんと?ハーゲンダッツ?ゴディバ?あ、千疋屋でもいいんだよ?
チーター  うわ、ヒドイ。上げてきたな。
ミラコー  まぁまぁまぁまぁ。それはいいとして、全員揃った?
チーター  あぁ、揃ったんじゃない?
金やん   え?まだだよ。
ミラコー  ・・・あ、桜井さん。
学級長   じゃあ、先にチーム編成、確認しましょうか。

学級長が紙面を取り出し、それを見ながら全員歓談(作戦会議含む)。

ナレーション(桜井) 青々とした木々に、まぶしいほどの陽光が輝き始めた、六月下旬。突き刺すような日差しで、もはや日焼け止めは効果をなさなかった。砂煙を巻き起こし、熱風をきって体育館に向かえるほどの元気など残っていない。今年も、とうとうやって来てしまった。

暗転。


第二場

体育館。
※バスケットボールを使用。安全に。

①~④は同時進行。
①ミラコーからボールを受け取った金やんが、ガードしたチーターをドリブルでかわす。最後にゴールの恰好になると、デンジャーがそれを止める(上手く続けていればOK)。
②のんちゃんが走っている。遅れて、だいぶ疲れた様子のハッピーが続く。
③学級長がお嬢とパス練習。
④そんな中、どう考えても下手すぎるドリブルの桜井。

金やん   よし、オッケー。ねぇみんな!今日の放課後、いつもの場所ね。
デンジャー え、うそでしょ?またやるの?
金やん   大会まであと一か月しかないんだよ?気ぃ引き締めないと。
チーター  金やん、今日、トーナメントのくじ引きに行くんじゃないの?それ放課後でしょ?
デンジャー はいオッケー、私、帰りまーす。
金やん   今日は帰しません。
デンジャー やだ、こわーい。
のんちゃん ごめん、デンジャー、塾?
デンジャー ううん、自習室だけどさ。お嬢はあんじゃない?
お嬢    あぁ、でも、十七時からだからまぁ・・・三十分前に出れば間に合うし。
学級長   私も、一応あるけど大丈夫。
ミラコー  うん、学級長いないとさすがにキツイよね。
金やん   何それ。
ミラコー  ここら辺の収集がつかないんですけどー。
金やん   フツーにウザいんですけどー。
ハッピー  あれ、桜井さんは?
デンジャー え?桜井氏もういないの?
お嬢    そろそろ、会議とかも出てもらわないといけないんじゃないの?
学級長   でも、やる気ないんなら――。
金やん   冷たいこと言うなよー。
学級長   でも、実際そうじゃない?私たち、真剣にやりたいし。
ハッピー  うん、まぁでも、うん。桜井さんも、やりづらかったり色々あるんだよ。
チーター  ねぇ、ヤバいんじゃない?そろそろ六限始まるよ。
学級長   あぁ、私としたことが!体操着、着替えられないじゃないですか。
お嬢    それより、急がないと号令!
作品名:BELIEVE 作家名:安斎陽向