小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

かいなに擁かれて 第十章

INDEX|3ページ/3ページ|

前のページ
 

君がプロジェクトで長期留守をしていた頃、全くの偶然に二人は再会してしまった。
中津川徹は、杏子と引き裂かれた後、一度は結婚したらしいが離婚して、運送会社に就職したらしい。
ある日、家に私宛の宅配が届いた。
その配達員が偶然にも中津川徹だった。
それを受け取ったのが杏子だった。
それからは、君が知っての通りだ。
君が杏子に不信感を抱くのに時間は掛からなかった。
杏子は何一つ言い訳などしなかった。
一番辛かったのは杏子だと思う。
榊裕介殿
どうかどうか、杏子を赦してやってはもらえないだろうか。
今の杏子には、中津川徹への想いはもう無い。
あるのは榊裕介殿への想いだけであることをどうか、どうか分かって欲しい。
どうか、どうか、杏子を赦してやって欲しい。
――合掌――
高柳正義


 裕介は、読み終えた手紙を強く握り締めると、窓に歩み寄り額をガラスに押し当てた。
作品名:かいなに擁かれて 第十章 作家名:ヒロ