小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

からっ風と、繭の郷の子守唄 136話~最終話

INDEX|1ページ/9ページ|

次のページ
 
からっ風と、繭の郷の子守唄(136)
「再び日本地図の中へ、桑畑の記号を復活させると康平は言う」


 建物や道路だけではなく、畑や木にも地図記号がある。
何が育てられているのか、どんな木があるのかなど、ひと目で知ることができる。
1つで使われることは少なく、土地の中に、複数の記号をつける場合がおおい。
田や畑などの記号を知っている人はたくさんいる。
しかし。果樹園を表すリンゴや、桑畑を表す、Yの字の地図記号まで
知っている人は少ない。
樹木を表す記号は何種類かある。ハイマツもそのひとつ。
桑は桑畑としての記号を持っているほど、広範囲で栽培されていた。


 クワの木は成長が早い。大きく育つが、幹の中に空洞がある。
若い枝はカイコの餌にするため、葉ごと切られてしまう。
幹しか残らないため、製材可能の部分が少ない。
養蚕業が盛んだった頃。定期的に剪定され、手入れが行われてきた。
別に愛着があるわけではない。あくまでも来年、桑の葉を良好に育てるためだ。
樹木ではあるが、幹の中が空洞のため、製材には向かない。
養蚕以外において、有益な利用法が存在しないため、用済みとなった桑畑は
自然に放置されることになる。