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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「歴女先生教えて~」 第十九話

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「では話を戻します。源氏の始まりは経基王(つねもとおう)、源経基だと話したわね。でもこの経基はもともと皇族だから大した働きは出来なかったの。息子の満仲(みつなか)という人が遺した三人の息子、上から頼光(よりみつ)、頼親(よりちか)、頼信(よりのぶ)が後の源氏の発展の基礎を築いた人物なの。頼光の子孫には頼政(よりまさ)という人物が居て平安時代に平家に反乱を起こし(以仁王の挙兵)頼朝を頼ったんだけど、謀反が露見して宇治で殺された。源氏の中では珍しく平家に取り入って従三位(じゅうさんみ=公卿の席になる位)まで登りつめたんだけど、晩年高倉天皇の兄である以仁王(もちひとおう)に言い含められて平家打倒の片棒を担いだ。治承(じしょう)四年というから1180年ね」

「源氏と平氏は仲が悪いと思っていましたが、頼政のような人もいたのですね」

「加藤くん、平氏と源氏は仲が悪いわけじゃないんだよ。元々の出身で名前(氏)が違うだけなの。仲が悪かったのは平氏一門の内、後白河に取り入った伊勢平氏の清盛の系統だけなの。だから平氏ではなく清盛一族は平家と呼ばれるの」

「そうなんですか。平家にあらずんばひとにあらずとの言葉は驕りを表しているんですね」

「よく知っているのね、感心だわ加藤くん」

「このぐらい常識です」

「言うわね~じゃあ、平氏の始まりと言われる天皇は誰だか解る?」

「ええ?平氏の始まりですか・・・解りません」

「じゃあ、同じ質問よ、解る人?」

「先生、桓武(かんむ)天皇の子孫だと思います」

「さすが高木くんね。正解。正しくは高望王(たかもちおう)の子孫ね。残念ながら平家が壇ノ浦で滅亡して系譜は途絶え、それ以降平家の生き残りは肩身の狭い思いをしたと思うの。源氏の勢いに乗じて寝返ったりする一族も居たしね。世の中は源氏が支配する武家社会へと舵を切った。その源氏の功労者は八幡太郎義家(はちまんたろうよしいえ)と呼ばれる人なの。彼は源氏の始まりだった経基(つねもと)からみて四代後の子孫。初めに言った満仲の三人目の頼信(よりのぶ)から続く家系ね」

「先生、八幡太郎とはどういう意味ですか?」

「うん、それはね、京都にある石清水八幡宮(いわしみずはちまんぐう)で元服式を行ったから名付けられたの」

「では、他の子供たちも元服式を行った場所にちなんで名前を貰ったのですか?」

「そうよ、弟の義綱(よしつな)は京都の賀茂神社だったから、賀茂次郎。一番下の弟は滋賀県の三井寺(みいでら=正式には園城寺)だったので、新羅三郎と呼ばれた。なぜ三井三郎ではなく新羅なのかと言えば、三井寺に新羅善神(しんらぜんしん)を祀った新羅善神堂というのがあったからなの。ちなみにこの新羅三郎の子孫が武田信玄よ」

「教科書には源頼信は、1208年上総(かずさ)を中心におこった平忠常(たいらのただつね)の乱を平定し、源氏が関東に勢力をのばす基礎をつくった、と書かれていますね」