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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十六話

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美穂と拓真とは違って高木は高橋教諭との関係がこじれ始めていた。
時間を作って校外で会う約束をした二人は人目につかないようにとカラオケルームを借りて向かい合っていた。

「高木くん、私たちもう終わりにしましょう。続けてはいけないって思うの」

「急だなあ~川野先生の言ったことがそれほど気になったの?」

「うん、それもあるけど、いくら夫に不満があるとはいえ、17歳のあなたとこんな関係はふしだらだし、教諭として恥じるべき行為だって感じる。私が独身なら歳の差ぐらいしか批判されないけど、浮気はどんな正当な言い訳をしても許されないわ」

「そんなこと初めから分かっていたじゃない?いまさら言うのはおかしいよ」

「そうね、最初あなたが求めたときに断るべきだったよね。ゴメンなさい。あの時は気持ちが不安定だった」

「旦那さんとの欲求不満をボクにぶつけたっていう訳?」

「そんなことないよ、高木くんのこと可愛いと感じたから、優しくしてあげたいと思ったの」

「嘘だよ。誰でも良かったんじゃないの?たまたまボクが頻繁に出入りしていたから、目を付けたって思える」

「酷いことを言うのね。私のことそんな風に感じてたなんて」

「酷いことを言ったのは先生だよ。ボクは何も悪いことはしてないし、言ってもいないだろう?それなのに別れるなんて言い出すのは、最初からそうしようと思っていたと言う事じゃない!」

「過ちだったことに気付いたからよ。確かに気持ちが不安定であなたに寄り掛かった部分はあるけど、気付かれそうになった時点で終わりにしないといけない恋なの。解って」

「学校内で会えないなら、連絡し合って外でこうして時々会えばいいんじゃないの?」

「ううん、いつかバレるよ。そんな気がするの。素敵な彼女見つけて私のことなんか忘れて、お願い」

「素敵な彼女見つけて?そんな簡単じゃないよ。今日が最後なら、最後の思いを遂げさせて」

「女はそういう気持ちにはならないの。先生もう行かないといけないから、学校では今まで通りに普通にしてね」

「簡単に言うね。まあ、仕方ないけど、他の男にボクと同じような事したら許さないからね。それだけはしないって約束しろよ」

「もちろんよ・・・」

高木は高橋がこのまま旦那との関係を続けて行けるとは思えなかった。それほど悩んでいたことを知っているからだ。生徒と解っていても身体を許したのはそこには耐えられない欲求不満が潜んでいたからだと知っているからだった。

保健室での行為は信じがたいことではあったが、外部に悟られないように二人で考えた工夫をして及んでいた。

高木と加藤はよく話をしていたが、高木は美穂のことを、加藤は保健室のことを言わなくなっていた。これまでと違う気の使い方が不自然に感じられる二人ではあったが、ちょっとは大人になったと言う事であろう。

子供から大人になる精神的変化は肉体的な変化の後にやってくる。女性を知る、恋を知るということは確実に男性を大人の世界へと誘う。加藤も高木も17歳になって他のクラスメートとは違う心境に達していたのだった。