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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十三話

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拓真の機嫌が元に戻ったようだ。車内でいろんな話を聞かせてくれた。
美穂はちょっと男の心理が解ったような気分だった。
明日学校で顔を合わせるとちょっと意識してしまいそうに思えたが、マイペースを保とうと言い聞かせた。

加藤自動車に車を停めて拓真を降ろし、父親に挨拶をして、美穂はマンションに帰ってきた。
もちろんその少し前に車内でキスを交わした。言うまでもなく相手からの求めに美穂が応じた形だ。

温泉に入ってきたのでお風呂はやめておこうと思っていたが、髪も洗いたいので入ることにした。シャワーだけで済まそうと、直ぐに浴室に向かった。
鑑の前で自分の身体を眺めて美穂はあの時のモデル並みのスタイルをした高校生ぐらいの女子を思い出していた。

「この身体はいつまで保てるのだろう・・・あの子に負けないぐらいに鍛えようかしら。学校の帰りにジムによって運動するのが一番よね。ストレスも体を動かせば発散できるし、ちょうどいいかも知れない」

そう決めた美穂は月曜日の帰りに一駅向こうにあるスイミングとスポーツジムのある施設に申し込みに行くことにした。

ベッドに入って拓真とのことを思い出しながら深い眠りに入った。
スマホの目覚まし音に起こされていつもより少しだるい気分の朝を迎えていた。
昨日の道の駅で買ったパンを熱いコーヒーと一緒に食べて、いつもの薄い化粧で学校に歩いて行った。

職員室から授業までの時間保健室に美穂は居た。
高橋養護教諭と話がしたくなったからだ。昨日、帰り道拓真が話していたことを確認したいという気持ちもあった。

「高橋先生、変なこと聞きますが、一組の高木くんってどう思ってらっしゃいますか?」

「いきなり何?どうって、生徒としか思っていませんよ」

「それならいいのですが・・・余計なことでしたが、変なことを口走る生徒がいますので気になって尋ねてしまいました。ごめんなさい」

「いいのよ。私たち女性教諭は男子生徒から好奇の目で見られているから、いろんなことうわさされるみたい。あなたも気をつけなさいね」

「ありがとうございます。高木くんは成績もいいし、歴史のことも勉強しているので頑張ってほしいと思う。保健室に回避する癖は止めて欲しいと願うけど、ここが癒される場所なんだとしたら、たまには来ることは仕方ないって認めようかしら」

「川野先生は何が仰りたいのかしら?」

「感じたままにお話をしてしまいました。気に障られたら謝ります」

「そうじゃないの。高木くんはあくまで生徒。それ以上も以下も感じてないし、噂のようなことは全くないの。私には夫も子供もいるのよ。めったなことは出来ないでしょ?あなたは独身だから生徒と過ちを犯したとしても自由恋愛だと逃れることもできる、そうじゃない?」

「私は過ちなど犯していません。このお話は二度としませんので許してください。高橋先生のしっかりとした立場を聞かせて頂いて、安心して授業が出来ます。ではそろそろ戻って授業がありますのでこれで」

「もう慣れたでしょうけど、頑張ってください」

美穂が保健室を出て行ったあと、高橋は何故こんな話をしてきたのか正直驚いていた。悟られないように平静に答えたけれど心の中では心臓が飛び出しそうに激しく鼓動していたのだ。
その理由は嘘をついていたからだ。

職員室の美穂は、高橋が嘘をついていると確信していた。
それは拓真の話の方に真実味があったに他ならない。自分とは違う立場の高橋にちょっと心配な気持ちになったが、否定されて自分としてはこれ以上言うことはないと思えた。