心の処方箋~ベリーショート~
29.小さなコミュニティーに本気になれる幸せ
学校の部活動がベスト16に入ったことがないから
ここの部活にエネルギーを注いでも意味がない
ここの演劇部にどんなに頑張っても
そもそも順位がないから
履歴書に反映しない
何ら見返りがないから
この小さな世界で頑張っても意味がない
そう思ってしまうのも可哀想な人ではないか?
小さな集団でも
皆で一体となっているから、そこにエネルギーを注ぐ
文化祭で劇をやるけど
模試が近づいているし、三年の夏休みを終えたから
帰って勉強する人がいる
でも皆が劇のために一体になっているから
衣装づくりに全力を注げる
音響で使える音楽を真剣に考え意見する
セリフを馬鹿じゃないかといえるほど何回も練習する
いつだって人間が本気になるときって
大抵は見返りなんて考えてないんじゃない?
利益にならないけど、見返りを求めず
小さなコミュニティーに本気になった人間は
そのときはそのときの幸せしかないけど
きっと素敵な幸せと未来が訪れるよ
作品名:心の処方箋~ベリーショート~ 作家名:松橋健一