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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第十一話

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授業が終わって職員室で帰り支度をしている美穂に亮が声をかけた。

「川野先生、予定が無ければ良かったらお食事でもいかがですか?」

「ええ?なにかお話でもあるのですか?」

「そういう訳ではないけど、どうかなあ~って思ったものだからお誘いした」

「そうですか。お誘いは嬉しいのですが、男の人と二人というのは遠慮させてください」

「ひょっとして、彼が出来たのですか?」

「そういうことではないのですが、二人だけというのはご遠慮したいと思うだけです」

「私と二人というのは無理と言う事ですね?」

「そんな風に言われると心外ですが、男性と二人だけというのは特別な気持ちが無いと無理だと思っています。ごめんなさいね」

「わかりました。この次は前のようにみんなで行きましょう」

「それなら歓迎です」

美穂は気が付けば拓真との関係から、亮とは全くそういう感情が無いとしても遠慮すべきだと思ってしまった。きっと拓真もそうであると信じてのことでもあった。
男子校の加藤は女性との出会いが少なく、父親の仕事を手伝うと決めた以上、以前のように女性がいるような場所でのアルバイトは出来なくなった。

今の加藤には美穂しか目に入らなかったが、それが永久に続くかどうかは神のみぞ知ることだった。

自宅について夕飯を済ませてテレビを見ていると、スマホが鳴った。見ると拓真からだった。デートの後ほとんど毎日ラインのやり取りをするようになった。
次はいつ会えるという催促だったので、美穂はそういうことはあなたが決めて私を誘う事よ、と返事を返した。

そろそろ中間試験が始まるので、終わった次の日曜日に会いたいと拓真は美穂に伝えた。季節はそろそろ衣替えに入る。

美穂との約束の日曜日はあっという間にやってきた。

美穂は自分のしていることが責任ある行動であると考えているので、毎回拓真の家まで迎えに行くようにしていた。父親にも会っていることを知っていて欲しいと願うからだ。
拓真を載せたミニは走り出す。

「今日はネットで調べたちょっと遠いけど県境の道の駅に行きましょう。他に行きたいところがあればまたにするけど、どう?」

「いいよ、美穂の行きたいところはボクも行きたいから」

「そう、いい返事だわ。嬉しい」

「私もあなたが思っていることと同じ気持ちでいたいわ」

「うん」

車は有料道路を少し走って国道に降りると、山道をくねくね走りながら二時間ほどで目的地に着いた。
目の前が冬場にはスキー場になっているところで、この季節でもひんやりとした空気が感じられた。

駐車場に停めて、手を繋いでまずはレストランに入った。お腹が空いたからだ。