「歴女先生教えて~」 第九話
「少し海辺を歩きましょう」
「はい、いいですね」
足元の砂が靴の中に入りこむぐらい柔らかく乾燥していた。
美穂は履いていた靴を脱いで裸足になって、色が変わっている水際に走り出した。
「先生!濡れちゃいますよ」
「大丈夫よ。加藤くんもおいで・・・手を繋ごう・・・」
美穂は加藤の手を握るとそのままゆっくりと水際で足を濡らしながら歩いた。
「こうしていると私たちはすっかり恋人同士に見えるわね」
「先生、恋人同士じゃないんですか?」
「うん?そうね、恋人同士かもね」
そういうと加藤は美穂を後ろから両腕で抱きしめた。
美穂はとっさに加藤の右手が自分の胸に来ることを予想して、ギュッと握りしめて振り返って顔を見た。
「ダメよ。誰かに見られたら大変。手を繋ぐだけにして・・・ね、気持ちは嬉しいけど今はダメ」
「先生、好きです」
「私もよ、だからここに来た。でも我慢して・・・ね?」
「言う通りにします。嫌われたくないので」
「偉いのね。さあ、車に戻りましょう」
美穂はこのままだとキスをしてそして体を触られたらきっと自分も我慢出来なくなってしまうと考えた。何も知らなくてもそういう女の気持ちの変化ぐらい予想できる。
「お腹空いたでしょう?この先にあるレストランへ入りましょう」
「いいですね。先生はよく来られていたのですか?」
「どうしてそう思うの?」
「だって、食べるところ知っていると思うから」
「今はネットで検索できるし。そこのお店も調べてチェックしたの。海を見ながら座敷で食べられるって書いてあった」
「なるほど。便利ですね」
ほどなく海岸線の国道沿いにあった店の駐車場へ着いた。
店に入る階段を上がって、案内された窓際の席に座った。
「いい眺めね~カモメがたくさん飛んでいるわ~」
「いらっしゃいませ。こちらがランチメニューとなります」
お店の女将さんにそう言われて、美穂は加藤に見せた。
「ねえ、何にする?嫌いなものはないの?」
「はい、何で食べられます。先生と同じが良いです」
「そう、じゃあ、こちらの限定二十食の海鮮バーベキュー定食にするわね。こちら二つ下さい」
「かしこまりました。お飲み物は宜しかったですか?」
「加藤くんどうする?」
「今はいいです」
「ではお茶をお願いします」
女将は美穂の顔を笑顔でじっと見て、しばらくお待ちくださいと言って厨房に入っていった。
「はい、いいですね」
足元の砂が靴の中に入りこむぐらい柔らかく乾燥していた。
美穂は履いていた靴を脱いで裸足になって、色が変わっている水際に走り出した。
「先生!濡れちゃいますよ」
「大丈夫よ。加藤くんもおいで・・・手を繋ごう・・・」
美穂は加藤の手を握るとそのままゆっくりと水際で足を濡らしながら歩いた。
「こうしていると私たちはすっかり恋人同士に見えるわね」
「先生、恋人同士じゃないんですか?」
「うん?そうね、恋人同士かもね」
そういうと加藤は美穂を後ろから両腕で抱きしめた。
美穂はとっさに加藤の右手が自分の胸に来ることを予想して、ギュッと握りしめて振り返って顔を見た。
「ダメよ。誰かに見られたら大変。手を繋ぐだけにして・・・ね、気持ちは嬉しいけど今はダメ」
「先生、好きです」
「私もよ、だからここに来た。でも我慢して・・・ね?」
「言う通りにします。嫌われたくないので」
「偉いのね。さあ、車に戻りましょう」
美穂はこのままだとキスをしてそして体を触られたらきっと自分も我慢出来なくなってしまうと考えた。何も知らなくてもそういう女の気持ちの変化ぐらい予想できる。
「お腹空いたでしょう?この先にあるレストランへ入りましょう」
「いいですね。先生はよく来られていたのですか?」
「どうしてそう思うの?」
「だって、食べるところ知っていると思うから」
「今はネットで検索できるし。そこのお店も調べてチェックしたの。海を見ながら座敷で食べられるって書いてあった」
「なるほど。便利ですね」
ほどなく海岸線の国道沿いにあった店の駐車場へ着いた。
店に入る階段を上がって、案内された窓際の席に座った。
「いい眺めね~カモメがたくさん飛んでいるわ~」
「いらっしゃいませ。こちらがランチメニューとなります」
お店の女将さんにそう言われて、美穂は加藤に見せた。
「ねえ、何にする?嫌いなものはないの?」
「はい、何で食べられます。先生と同じが良いです」
「そう、じゃあ、こちらの限定二十食の海鮮バーベキュー定食にするわね。こちら二つ下さい」
「かしこまりました。お飲み物は宜しかったですか?」
「加藤くんどうする?」
「今はいいです」
「ではお茶をお願いします」
女将は美穂の顔を笑顔でじっと見て、しばらくお待ちくださいと言って厨房に入っていった。
作品名:「歴女先生教えて~」 第九話 作家名:てっしゅう