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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第八話

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授業が終わって廊下に出たとき高木が美穂に近寄ってきた。

「先生、今日は酷いですよ。ボクの信用がガタ落ちじゃないですか」

「言い出したのはあなたの方よ。女性のことそんな風に考えているとひどい目に遭うわよ」

「男は隠しているだけで誰でも女を見たら同じこと思うんです。加藤だって、渡辺だって同じです」

「あらあら、そんなこと言って、仕方のない子ね。先生は君たちぐらいの年齢だと興味があっちの方に向くのは解らないでもないの。けどね授業中に発言することじゃないわ。これからは気を付けてね」

「先生はボクには厳しいけど誰かさんには優しいから依怙贔屓だよ」

「誰かさんって、誰のこと言ってるの?そんなことしてないよ」

「まあいいや。ボクお腹が痛くなってきたので保健室に行ってきます。次の授業には遅れると数学の先生に伝えておいてください。真面目な話ですよ」

「高木くん、先生はあなたが本当に腹痛ならそうして欲しいけど、サボりたいのなら保健の先生が迷惑だからやめてね」

「本当だよ、今言ったでしょう」

高木はそういうと駆け足で保健室へと向かった。すぐ後ろに加藤が立っていて美穂に耳打ちした。

「先生、あいつねやっぱり怪しいよ。さっきまで普通にしていたのに、急に腹が痛くなるなんて考えられないよ」

「そうね。高橋先生に聞いてみようかしら」

「もし何かあったとしても先生も高木もしゃべることはないですよ。やばいですからね」

「あら、私たちはヤバくないの?」

「ええ?ボクたちは、いやボクは違いますよ。電話で言った通りです」

「そうね、この話は学校ではやめましょう。じゃあ、今度の土曜日に伺うとお父さんに伝えておいて」

「はい、わかりました。親父喜びますよ」

「こちらこそ、とってもいいお買い物をさせていただいたわ。その時にゆっくりとお話しましょう」

そう言われた加藤は天にも昇る気持ちになった。美穂にとって車が来ることも喜びだったが、自分を好きだと真剣に告白してくれた加藤と話をすることもそれに勝る喜びに感じられていた。

月曜日に加藤自動車にお金を振り込んだので、約束の土曜日に車を引き取りに出掛けた。
珍しく短いスカート姿でちょっと色っぽく装って行った。別に誰かを興奮させようと考えたのではない。自分自身がときめいている気持を素直に表しただけだ。
加藤が喜んでくれるだろうと思う女心でもあった。

「お邪魔します~美穂です」

「お待ちしていました。洗車してお渡しの準備は済ませてあります。こちらがキーです。車検証のコピーを入れてありますので、出来上がってきましたらご連絡します。任意保険の手続きはどうされますか?」

「ありがとうございます。そうですね保険はお願いしないといけませんね。今日乗りたいのでここで契約させてもらえますか?」

「もちろんです。すぐに済みますからこちらに必要事項を記入してください」

書類を書き終えて、保険料を支払って契約は終了した。
加藤がじっと見ていたので美穂は声をかけた。

「ねえ、怖くなかったらちょっと試し運転代わりにドライブしない?お父様にもその事話しておいてね」

「はい、直ぐ準備します」

「車の中で待っているね」