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馬場ふたば
馬場ふたば
novelistID. 61242
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They are fighting in my mind

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ユウ「わたしが守るの。」
父 「ユウ......?」
ネコ「にゃー。」

   ●20年前 ある家の中
   少女が食い入るようにテレビ画面を覗きこんでいる

母 「ユウったら、まぁたそんな近くでテレビ見て、」
ネコ「にゃーん。」
ユウ「お母さん、」
母 「なあに?」
ユウ「ヒーローってさ、本当に強いのかな?」

   ●現在 ある家の中
   けたたましいアラーム音で目が覚めるユウ
   うざったるそうにアラームを止める

ユウ「やけに懐かしい夢を見たな......」
ネコ「ニャーン。」
ユウ「お前も歳とったな。」

   階段を上る足音が聞こえる
   足音が近づいてきたと思ったら、勢い良く扉が開く

母 「あんたね、いつまで寝てれば気がすむの。」
ユウ「今日はバイト夕方からだって言ったでしょ。」
母 「何をのんきなこと言ってるの。何時だと思ってるの。好い加減起きなさい。」
ユウ「今日くらいゆっくりさせてよ。」
母 「普段からダラダラしてるでしょうが。そのままだとアンタ、カビ生えるわよ。」
ユウ「もう生えてますー。(スマホを弄りながら)」
母 「どこで育て方間違えたかしら。」
ユウ「生まれた時からじゃない?」
母 「お母さんの記憶が正しければ、幼稚園までのユウはかわいい女の子だったわよ。」
ユウ「ふーん......」
母 「(溜息をついてカーテンを勢い良く開ける)」
ユウ「うっわ、眩し......ちょっと閉めてよ。」
母 「暗い部屋でじめじめしててカビが生えてるのに、これ以上じめじめしてどうするの。」
ユウ「カビ生えてる前提なの?」
母 「あら、さっき生えてるって言ってなかった?」
ユウ「......(誤魔化す様にスマホに逃げる)」
母 「日光浴は大事なのよ?ミトコンドリア!」
ユウ「何でそこでミトコンドリア?」
母 「ほーらほら、日光浴びたら動きたくてうずうずしてきたでしょ?(布団を勢いよくはがし取る)」
ユウ「さっむ!返してよ!」
母 「今日はお洗濯日和なのよ。」
ユウ「ムリムリムリムリ、シヌシヌシヌシヌ。」
母 「そんな簡単に人間は死にません。ほら、動いたら暖かくなるから。」
ユウ「冬眠に入ったくまには厳しいですね。」
母 「焼き芋が美味しい秋でしょうが。下にご飯準備してあるから、冷める前に食べちゃいなさい。」
ユウ「......ハーイ。」

   母に促され渋々布団から出るユウ
   下の階へ降りて朝食につく動作をする
   リモコンでテレビの電源を入れる

TV「......ということ、また原発問題は、」
ユウ「最近暗いニュースばっかりだな......」
ネコ「ニャーン。」
ユウ「なに、お前もご飯食べるの?」
ネコ「......ニャーン。」
ユウ「......あっそ。」

   チャンネルを切り替える

TV「......次のニュースです。今日未明、東京都世田谷区で強盗殺人事件が起こりました。強盗殺人の容疑で現行犯逮捕されたのは無職、......容疑者(25)、」
ユウ「......え?(音を大きくする)」
TV「容疑者の事をよく知る近所の住人は、『まさかあの子があんなことするとは......』『普段は温厚で、笑顔がさわやかな子なんですよ、まさか、ねえ......』」
ユウ「このおばさん、何言ってんだ?」
TV「容疑者と被害者の関係性に何か原因はないか、警察の捜査は進められています。......では、今日のお天気を見て見ましょう、○○さn、」
母 「(洗濯物を抱えた姿で現れる)あらー、うちの近所じゃない。物騒ねぇ。」
ユウ「近所も何も、犯人って、」
母 「あら、もしかしてユウの高校の生徒会長だった子じゃないのこの子。」
ユウ「うん、」
母 「やあね、そんな事する様に見えないじゃないの。」
ユウ「......うん、」
母 「何があったのかしらね。」
ユウ「うん。」
ネコ「ニャー。」
母 「そんな場合じゃなかった、お洗濯もの干しちゃわないとー。」
ユウ「うん。」
母 「......ユウ?」
ユウ「うん。」
母 「......お味噌汁、こぼれてるわよ。」
ユウ「うん......え?」
母 「お味噌汁、こぼれてるってば。」
ユウ「うげ!最悪―。」
母 「ちゃんと拭いてよね、全くもう。」
ユウ「ゴメンゴメン(拭きながら)」
母 「申し訳無いと思ってるなら、バイトの帰りにお母さんに焼き芋でも買ってきて。」
ユウ「焼き芋好きね。」

   チャンネルを切り替えると戦隊番組

ユウ「あ、」
母 「あら、」
ネコ「ニャーン。」

   ●夕方
   ユウバイトに出かける為、玄関で靴をはく

ユウ「いってきまーす。」
母 「いってらっしゃい。一応事件もあるし、気をつけんのよ?」
ユウ「逮捕されてるし大丈夫でしょ。」
母 「焼き芋お願いね。」
ユウ「はいはい、......いってきます。」

   ドアを開けると人影がある

男A「こんにちは。」
ユウ「こんにちは......あれ?もしかして、A?」
男A「そうですけど、......何で知って......?」
ユウ「ああ、決して怪しいもんじゃないんで。花岡高校の卒業生ってだけですよ、おまわりさん。」
男A「え、花岡......?」
ユウ「ご名答。」
男A「もしかして、お前......」
ユウ「お久しぶりです、花岡一の不良少年さん。」
男A「勘弁してくれよ。俺は今こんな職についてるのに。」
ユウ「じょーだん。」
男A「からかうのもほどほどにな。」
ユウ「はいはい、笑顔がさわやかなお巡りさん。」
少年「お巡りさんこんにちは!」
少女「こんにちは!」
男A「はい、こんにちは。気を付けて帰るんだよ。」
2人「はーい。」
ユウ「ほんと、爽やか笑顔のお巡りさんだな。」
男A「そうか?」
ユウ「制服、なかなか似合ってんじゃん。」
男A「ありがとな......そろそろ見回り再開しないと。」
ユウ「わたしもバイト行かなきゃ。」
男A「では(敬礼していなくなる)」
女?「ねえ、聞きました?あの強盗殺人事件の犯人、逮捕したのってあのお巡りさんなんですって。」
女?「やんちゃなあの子がこんなに立派になるなんてねぇ......」
ユウ「......(イヤホンを付けて歩き出す)」

   ●八年前 ユウ高校2年生の夏
   体育館の舞台上では少女Aが誇らしげに演説をしている
   まわりの生徒もその演説に聞き入る
   少女A、ユウにそれぞれサス、生徒はシルエット

女A「」
生徒「おー!」
女A「」
生徒「(拍手喝さい)」
ユウ「すごいな。」
生徒「そりゃそうさ、なんてったって、少女Aさんだもの。」
生徒「成績優秀。」
生徒「運動神経抜群。」
生徒「容姿端麗。」
生徒「それでいて物腰は柔らかくリーダー性もある。」
生徒「何といっても親はあの、政治家A氏!」
生徒「才色兼備とはこのことだな。」
生徒「我らが生徒会長は素晴らしい!」
全員「素晴らしい!」
ユウ「でも、そこまで完璧なのも怖くないか?」
生徒「完璧で何が悪い。」
生徒「完璧だからこそ素晴らしいのだ。」
全員「素晴らしい!」

   体育館の扉が開き注目が集まる
   少年Aにサス