アイスクリームプログラム
冷凍庫から氷を取り出し、口を付ける
男 「......はあ。」
麦茶「今日は暑いね。」
男 「暑いな。」
麦茶「猛暑日だったっけ?気を付けないとね。」
男 「......あいつらも変わったな。」
麦茶「あいつらって?」
男 「高校ん時は付き合い良かったのに。」
麦茶「そうなの?」
男 「何がバイトだよ、何が彼女だよ。俺らの友情薄っぺらいやんか。」
麦茶「タイミング悪かったんだよ?」
男 「......。」
ただひたすらに時間だけが過ぎて行く。
グラスの中の氷が解けてカランと音がする。
おもむろに男が立ち上がり、薄っぺらい財布、投げ捨てられたスマホを手に取る。
麦茶「どこいくの?」
男 「......いってきます。」
玄関へ向かう
麦茶「まだ残ってるよ?」
バタンと扉が閉まり、鍵がガチャリと閉められる
●男たそがれる
商店街、土手道、小学校際、賑やかな道を歩く
家では、机の上のグラスが汗をかきだす。
グラスの中の氷は全て溶け切った。
少年「すみません、ボール、」
男が少年にボールを投げる
男の高校時代がフラッシュバック
少年がチームメイトの元に戻るのを見て立ち上がり夕焼けをバックに歩き出す
●八月下旬午後6時過ぎ
男、家に帰る
ドアの鍵が回る音がする。
男が静かに部屋に入って来る。
男 「ただいま。」
麦茶「おかえり。」
男 「あー、最悪。部屋開けっぱなしだった。あっつ......」
麦茶「どこ行ってたの?」
男 「あれ、麦茶出しっぱなしだったっけ。」
麦茶「忘れるなんて酷いな。」
男 「まあ、いっか。」
グラスを手に取り、麦茶を飲み干す。
男 「ぬっる......。」
作品名:アイスクリームプログラム 作家名:馬場ふたば