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馬場ふたば
馬場ふたば
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家族会議

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家族会議

(主人公)
神田(かんだ) 安(あ)希(き)(17) 部活に一直線なお馬鹿男子。勉強が全くできない。

(父)
神田(かんだ) 光彦(てるひこ)(46) 仕切りたがりのお調子者。父としての威厳を見せようとするが母には逆らえないヘタレ親父。

(母)
神田(かんだ) 美幸(みゆき)(43) 温和でいつもニコニコ笑顔の母親......に見えるが実は毒舌。

(姉)
神田(かんだ) 美(み)希(き)(21) 大学四年生、就活中。何かと口うるさいが実はいい奴。彼氏の事は両親には内緒。

(妹)
神田(かんだ) 結(ゆ)希(き)(14) 中学二年生。兄にだけ異様に厳しいおませさん。武器はハリセン。

(ペット[猫])
タマ(年齢不詳) 今回のキーパーソン。
        人間の言葉も話せるが安希にしか聞こえない様子。安希のよき理解者。



●幕開き
   神田美希(以下姉)が一人リビングでニヤニヤしながらスマホを弄っている。
   その横でタマは寝転がっている。

姉「こ、んど、の......でー、と......すい、ぞくかん、が......いい......な。......ハートもつけちゃえっ......きゃーっ!!!!」

   上手から登場する神田安希(以下主人公)。
   後ろからゆっくりと姉に近づき、そっとスマホを覗きこむ。文面を見て勢いよく噴き出す。

姉「ちょっ......!あ、ああああああんた!い、いいいいいつの間に!?」
主「今度のデートっ(姉の真似をする)......あたりから。」
姉「それって、最初からじゃない!ああ、もうっ!最悪!あたしとしたことが......!」
主「姉ちゃん、それってもしかして......これ?(小指を立てる)」
姉「何よ、古いわよそれ。......(溜息)そうよ、何か文句あんの?」
主「べっつにー......?......へぇー......ふぅーん......ほぉー......」

   姉の周りをニヤニヤしながら歩き回る主人公。

姉「気持ち悪!鳥肌立つわ。」

   態とらしく腕をさすり、ドン引いた表情で主人公を見る。

主「それさ、父さんとか母さんとかは知ってんの?」
姉「......誰にも言ってないわよ。あんた、絶対に言うんじゃないわよ?」
主「それなら......ん、」

   さも当たり前の様に姉の前に手を出す主人公。
   姉は溜息をつき、お金を手渡す。
   渡されたお金を数えて懐に仕舞う主人公。

姉「いい?絶っっっっ対に、言うんじゃないわよ?」
主「分かってるって......(姉が油断した姿を見計らい)父さーんっ!!!!」
姉「ちょっ......!ばかっ!(慌てて主人公の口を塞ぐ)」
主「ふごっ!?」
姉「あんた、このまま窒息死したいの?」
主「(全力で首を振る)」
父「何だー?呼んだかー?」
姉「何でもなーい!」
父「えー?」
姉「何でもないってば!」

   上手側から神田光彦(以下父)の声だけが聞こえる。
    それにこたえる様にして姉が上手側に叫ぶ。二回目の何でもないは半分キレた様に叫ぶ。父の姿が見えなくなったのを見計らったように主人公に声を掛ける。

姉「あんた、今度こんなことしたら、ただじゃおかないから。」
主「(全力で頷く)」

姉から解放されると大きく息を吸い込む主人公。
姉は主人公を睨みつけて居る。
後ずさりして姉から離れた所に座る主人公、定位置に付いたらゴソゴソとポケットから何やら小さな紙を取り出す。

姉「......何それ。」
主「(バッと勢い良く背中に隠し口笛を吹く)」
姉「......見せなさい。(手を出す)」
主「(激しく首を振り、知らないふりをして口笛を吹き続ける)」
姉「見せなさいよ......(一オクターブ低い声で話しかけ睨む)」
主「(震えながら紙を渡す)」
姉「(ジッと紙を見つめた後、主人公の顔を見てもう一度紙を見た後、口をパクパクさせる)」
主「(もうだめだ、と人生が終わったかのような絶望した表情を浮かべる)」
姉「何よこの点数!?どうやったら取れんのよ!?」
主「え?普通に?」
姉「ばっかじゃないのあんた!?」
主「ちょ、声でかいって! (紙を取り返そうとする) 」
姉「(主人公の手を掴む)ちょっと!父さん!母さん!これ見た!?」

   姉、上手に向かって叫ぶ

主「あ(゛)ー!?姉ちゃんズリィ!?」
姉「ずるいも何もないわよ!あんた、こんな点数......危機よ!?危機!地球消滅の危機よ!?」
主「俺ってそんな力あったの!?」
姉「褒めてないわよ!(頭をベシッと叩く)」

   父と神田美幸(以下母)が上手から登場

父「何なんだ、さっきから騒がしい。安希はともかく、美希、お前は女の子なんだから少しは大人しくしなさい。だからいつまで経っても結婚でk......」
姉「いいから......!黙って......!うるさい!いいから見て!コレ!安希のテスト結果!酷いんだから。」

    姉の台詞は父の台詞とかぶせて、合間合間で言う。
    姉は、手に持っていたテスト結果の紙を父と母に見せる。
    父と母はそれを覗きこむように見れば、アクションをとる。
    主人公、もうだめだと頭を抱えてアーメン始める。

妹「ただいま......何してんの?」

   上手から神田結希(以下妹)が登場。
   家族の様子を見て怪訝な面持ちを浮かべる。

父「......ぎだ......」
全員「......え?」
父「家族会議を開く!」

   バッと父だけにサスがCI
   母、姉、主人公、妹、タマはそれぞれの位置にスタンバイ

父「これより、第三十六回神田家家族会議を開く......!」

   地明かりCI

妹「そんなに家族会議開いた事あるっけ?」
母「いいのよ、結希。お父さんのしたい様にしてあげて?(お茶を一口飲む)」
父「そうだ、そんな細かい事はどうだっていい。それより、今日の会議で話し合う議題だが......ズバリ!安希!お前のテストの結果についてだ!」

    ビシッと主人公に向かって指をさす父。
    主人公は自分を指さす。

主「俺?」
父「当たり前だろう!あんな点数......前代未聞だ!神田家史上最低最悪の結果だ。美希だってこんな点数はとった事は無いぞ。」
主「え、姉ちゃんもそんなにヤバかったの?」
父「ああ、ヤバかった。」

    主人公、身を乗り出す様にして聞く。
    父、腕を組み主人公の言葉にうんうん頷く。

主「旦那......どれくらいですか?」

    手をニギニギさせ薄ら寒い笑みを浮かべる主人公。

父「ああ、あれは美希が航行二年生の頃の夏の日だった。あの日は恐ろしいくらいに暑くてだな......」
姉「ゴホンゴホン......!ゴホン!(態とらしく咳払いをする)」
母「お父さん、話がずれてます。今は美希じゃなくて、安希の話でしょう?」
父「ああ、そうだった。いやぁ、すまんすまん。」
主「(舌打ち)」
姉「ああん?(睨みつける)」
主「あ......あ......あ......(ガクガク震える)」
作品名:家族会議 作家名:馬場ふたば