小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

癒して、紅

INDEX|1ページ/13ページ|

次のページ
 

序章



 デジタル化の社会は、自分を知っている他人を 日々増加させている。
顔と基本実名を表面化させて、あらゆる網に現れる。 
蜘蛛の糸のように 便宜に渡っていける糸もあれば、足にねばねばと絡みつき、身動きすら抑制されて、雁字搦めに陥ることにもなりかねない。

 昨今の常識というほどに位置付けられたSNSはその手軽さで 個人の網も幾重にも広げているようだ。
 実名を明かすことなく、言葉を撒き散らす中の真実かもしれない欠片に惹かれて、より濃厚な言葉を通わせるようになったふたりは、相手への思い込みともいえるイメージと弾みで明かした顔写真や少し踏み入った情報で さらに思いを深めていくのだろうか。

 そして。

そのコミュニケーションで知り合った男と女がいた。

交際を斡旋することを目的としていないものでも その要素は充分にある。
もちろんサイト利用の規約には、異性交際などの禁止など制約があるものだが どこまで? なにが? といった詳細は、サイト管理者の基準が優先される為か、大人の常識範囲内では、咎められる失態は少ないのかもしれない。


 男は、個人的に相手の言葉を受け取るに至ったことは 必然的な結果だと思った。

作品名:癒して、紅 作家名:甜茶