映画 戦国生徒会
「お邪魔しまーす」
と、全員でBarを通って、楽屋に続く通路へと向かった。
近藤と恵美莉が先頭になり、通路に出たところで、楽屋のドアからこちらに歩いてくる博之と千鶴を見付けた。近藤はハッとした。なぜなら、その二人は手をつないでいたのだから。
千鶴は咄嗟に手を離した。そこへ映画スタッフ全員が駆け付け、バンドメンバーも通路に出てきた。
(川崎恵美莉)「放さなくてもいいよ! もうバレてる」
恵美莉は、放した手を指さして言った。
(木田博之) 「みんな。あの、あの俺、あ、あの、こいつ、あれ、俺、お前、おれ・・・」
(近藤彰正) 「いい訳するな。行くぞ」
(中川豊) 「すみません。皆さん。失礼します」
(鬼ヶ島さん)「後はまかせとけ」
恵美莉と椋ノ木は、千鶴の肩を抱きかかえ、走って通路を戻った。博之は、その後を追いかけながら、みんなの顔を見ると、中川と福田は驚いた表情で何も言わず、近藤の顔は見ることが出来なかった。Barのドアに立っていた、唯一博之より長身の村木が、博之の肩に手を添えて守るように店の外まで誘導した。
映画スタッフは何もしゃべらないまま、人込みをかき分けるように走り去って行った。
(鬼ヶ島さん)「入るぞ」
(中魔神さん)「フラれたのか」
(死神さん) 「ああ。あかんかった。ガキに取られてしもた」
(中魔神さん)「いい女だったのにな。いいのか?」
死神さんは三度頷いた。
(キョンシーさん) 「ちづちゃんは、どう言ってたんだ?」
(死神さん) 「ワシのこと、信用でけへんらしいわ」
(鬼ヶ島さん)「やっぱり、追っかけの娘に、手出しまくってるのバレてたのか」
(キョンシーさん) 「それで、生徒会長君の方を取ったってことか。ま、仕方なし」
(死神さん) 「こうなったら、もっと手出して、やりまくったるで」
(キョンシーさん) 「お前、本当に坊さんになる気あるの?」
(中魔神さん)「ファンも大事にしろよ」
(鬼ヶ島さん)「生徒会長君は、見た目より頼りなさそうだったが、その方がマシって訳か」
(死神さん) 「とんでもない。アイツ怖いで。俺の胸ぐら掴んで・・・」