映画 戦国生徒会
第26章: 親友って呼べたら
博之は恵美莉に打ち明けた。自分が千鶴と付き合っていることを。
「ええ! 意外に前から付き合ってたのね。しかも相当深くなってるじゃない」
「誰にも言うなよ」
「言わないといけないんじゃない? 私が言おうか?(笑)」
「お前やっぱり、からかってるだろ」
「そんなことないけど、一歩間違えば悲劇になるわよ。あんた以外、三人の気持ちが絡んでるのよ。うまくほどくことなんか出来ないわ。きっと誰かの気持ちが切れてしまう」
「きれいな表現するな。小説に書くなよ」
「前にもこんな感じのことがあったの」
「いつ? 誰が?」
「・・・キッドって、本当は中学の時、私のこと好きだったでしょ」
「・・・・・・」(赤面)
「でも、私に彼氏が出来ちゃったから、諦めて奈美の方に行ったけど、そっちもうまく行かず悩んでるの知ってたよ」
「そんなこともう忘れたよ」
「颯介(彼氏)紹介してくれたのキッドだからね。おかげでまだ付き合ってるけど、本当に感謝してんのよ。だから、今回は私が力になってあげるから」
「ああ、実は、ライブの日、香織のテニスの試合なんだ」
「ライブは夜で、テニスは昼間ってことか」
「そうなんだ。よく考えずに応援に行く約束してしまったんだ」
「本当は観に行きたいんじゃないの?」
「正直、気になる。なんかさあ、あいつ、付き合ってた時と別人になったみたいに感じるんだ」
「キッドは未練があるってことね」
「佐藤とは付き合いたいと思うけど、死神さんのことが心配で、気持ちにブレーキがかかってしまうんだな」
「それって、きっと佐藤さんも同じだと思うけどな」
「どういうこと?」
「香織ちゃんの応援に行ったとか分かったら、きっと心配どころか、裏切られた感で急ブレーキかけちゃうと思うよ」
「そうだよな。どうしよう。やっぱり応援行くのやめる」
「それがベストとも言えない」