映画 戦国生徒会
第23章: 閃極聖斗魁
「え・・・?」
「だからぁ。センゴクのセンは閃光の閃で、ゴクは極悪の極、セイが松田聖子の・・・・・・」
ハンサム死神さんが、映画『戦国生徒会』のメインテーマとなる曲『閃極聖斗魁』のレコーディングを終え、千鶴の元にやって来て、高校の視聴覚準備室で映画スタッフに、曲のコンセプトを説明すると、全員が不安になっている。
「喰うか喰われるかの、地獄のオールスター戦のイメージやろ」
(この人に頼んだのは、間違いだったか?)
近藤に至っては、真顔で微動だにしていない。
「まあ、とりあえず聴いてみようか(汗)」
こう言うと中川は、サウンドエディター(音響編集機)に接続されたPCのENTERキーを押した。
(♪ズンズンズンズンズンズンズンズン・・・シャキーン.じゃじゃじゃーじゃじゃじゃー・・・)
ドラムとベースギターのリズムのあとに、耳をつんざくようなエレキギターの高音から、メロディーへと繋がった。
(映画では最初のリズムはカットしよう)
と中川は思った。
その後、目の覚めるような高音で歌いだしたのは、作曲を担当したギタリストのダイスケ鬼ヶ島さん。死神さんが才能を認める、シャウト系メインヴォーカルだ。
(杉田時生) 「すっげぇ」
(野崎賢斗) 「エレキの高音に負けてない」
(金城ミリア)「きれいな声ね」
死神さんは、目を瞑りながら、指でドラムのビートを刻んでいる。一通り聴き終わると、全員が拍手喝采。頷きながら両手を上げて応える死神さん。
(死神さん) 「Come on! Come on! Come on! どうや? ええやろ」
(近藤彰正) 「かなりパンチが効いてますね」
(山崎凜花) 「私、良かった。ねえ?」
(椋ノ木優愛)「私も。ちづちゃん(千鶴)の気持ち分かった気がする」
(福田悠人) 「え? どんな気持ちが?」
(山崎凜花) 「鈍いわね」
(木田博之) 「え? そうなの?」
(佐藤千鶴) 「何言ってんのよ!」
(中川豊) 「1分半ぐらいだった? ちょうどいい長さだし、いいんじゃない?」
(近藤彰正) 「これで行こうか」
(杉田時生) 「残り2週間。何とか間に合ったな」