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亨利(ヘンリー)
亨利(ヘンリー)
novelistID. 60014
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映画 戦国生徒会

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第11章: 別れたくないの



 美術室前の事件から2日後の晩に、香織は博之にLINEを入れていた。

                   既読[電話してもいい?]

 博之の返事は、1時間くらい経ってからだった。

   [LINEで話そ]21:14
         既読[ごめんなさい。一昨日のこと怒ってる?]
   [怒ってるわけじゃない]21:26
            既読[私が悪かったの。許してほしい。]
   [許すって、どうすること?]21:27
                   既読[別れたくないの。]

そのメッセージの後、博之からの返事は来ず、電話しても出てくれなかった。
 次の日、学校でいつも会える廊下には博之はいなかったので、香織はわざと出会わないようにしているんだと思った。

 夏休みになって香織は、テニスの練習で登校して、映画スタッフが撮影しているのに気が付いた。でもその時は博之を見かけても、声を掛けられなかった。中川も気を使って、テニスコートから離れた場所で撮影を行った。

 その日の夕方、香織は校門で博之を待ち伏せした。
 博之が、中川、近藤、千鶴と一緒に校門へやって来た。近藤と千鶴とは別れて、中川と自転車で走り出した時、博之は香織に気付いた。香織とは目が合ったが、香織が何も言い出さなかったので、博之は通り過ぎてしまった。その様子に中川が気付き、
「ストップ、ストップ、ストップ!」
と言って、博之にアゴで香織のほうを指した。博之は止まり、中川は博之を置いて走り去った。

作品名:映画 戦国生徒会 作家名:亨利(ヘンリー)