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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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デス宝くじの当選者!

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ため息が漏れた。
ちょうど電話がかかってきた。

『先輩、今ニュースで先輩の家の近くで事故があったって……大丈夫ですか!?』

「うん、大丈夫だよ。間一髪でね」

『間一髪? え? でも先輩車に乗ってたんですか?』

「乗ってないよ。でも、本当に危ないところだったんだ」

『まあ無事ならよかったです、それじゃ』

電話を切って、改めて痛感した。
人波の生活でいいじゃないか。

宝くじで大当たりして大金なんていらない。

俺には少しばかりの幸せが、細切れに訪れるだけでいい。
それくらいのちょっぴりの嬉しいことがあれば、幸せだ。

「うん。それが俺にぴったりの幸せな量なんだ、きっと」

俺は安心して家に帰った。





家に帰ると、別の宝くじスタッフが待っていた。

「ああ、お待ちしていましたよ。
 調べたら、あなたが当選者さんですね。
 さぁ、報酬をどうぞ」

俺は顔がひきつった。

スタッフは俺が以前にコピーした宝くじを持っていた。

そう、その宝くじは間違いなく「当選」しているのだから……。