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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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秋の香り

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月明かりがそよ風を連れて来たのだろうか
秋の香水の蓋を開けてくれた
鼻から吸い込んだ空気は
金木犀の花をそのまま運んでくれたのかもしれない

昼間ほどの香りはないが
静かさが香りを引き立ててくれる
秋の虫の声は何だろうか
しばしの安らぎ

老いを感じ始めたから
今の時間に佇んでいられるのかもしれない
少し前なら退屈な時間に感じていただろう
いつの日にか貴重な時間と感じるかもしれない



追記

詩作をしながら、庭を眺め、言葉を探しながらの時間の流れは、実に楽しく感じられる。
作品はいずれにしても、自分にとっては、実に張り合いのある時間に感じられる。

作品名:秋の香り 作家名:吉葉ひろし