ストーカーストーカー
朝日をバックに立つ男性の顔は見えない。
でも、それが誰かはすぐにわかった。
「おしゃれストーカーさん……!」
「トランクに君が入れられた瞬間、
パトカーを奪ってここまで連れてきたんだ」
優しいブレーキと緩やかな発進。
おしゃれストーカーの心を感じさせる運転だった。
「それじゃ僕はこれで。
君とのドライブ、すごく楽しかったよ」
その後、2人のストーカーは逮捕された。
1人は、警察官でありながらも
警護対象の女性を拉致して監禁(未遂)をしたストーカー。
そして、もう1人は……。
「なんで、男性の家に入って男性用の下着や
盗聴器入りのテレビやら、車をプレゼントしたんだ?
これは立派な犯罪……ストーカー行為だ」
「ちがうんです! 私は彼のことが好きなだけなんです!
彼も私のことを好きでいるはずです!!」
もう1人は、私というおしゃれストーカーを追う女ストーカー。
頭の中は朝日に立つ彼でいっぱいだった。
作品名:ストーカーストーカー 作家名:かなりえずき