無人島ナウ!
康平は大のスマホ好き。様々なアプリをダウンロードし、ゲームをする。スマホで買い物をし、メールをし、ネットのいろいろなサイトに登録している。康平はスマホがないと生きていけない。康平からスマホを奪うと本当に死んでしまうのではないか。康平は得意のパソコンを生かし、大企業であるパッチ・フィールドグループに内定が決まった。
健二も大企業ではないが内定が決まっている。
健二は大のポイントカード好き。Tポイントカードその他、五十種類のポイントカードを持ち歩き、買い物自体より、ポイントがたまることに幸せを感じている。
やはり健二からポイントカードを奪うと死んでしまうのだろう。
裕也は大のフィギュア好き。ラヴチェーン、ハニーライブ、ガンデムエキスパートのフィギュアはもちろん、様々なフィギュアに目がなく、裕也は秋葉原でレアもののフィギュアに出会うと、七、八万位の金もおしまない。
裕也からフィギュアを奪うとやはり死んでしまうのだろう。
健二が、
「やった。かば焼君五枚買って、またポイントがたまった」
康平は、
「おい、いい加減にしろよ。健二。ポイントが二ポイントは言わば二円だぞ。そんなもん集めて。だいたいかば焼君みたいなガキのお菓子」
スマホ好きの康平が言った。健二は、
「いつも気違いみたいに、スマホいじってる康平に言われたくない。それに俺のTカードのポイントもう二万ポイント。うわ。ホクホク。お前も見習え」
健二は、
「あれ、裕也どこ行った?」
「どうせ裕也のことだ。フィギュアでも買ってんじゃないか。ほらあそこ。ガチャガチャの前で張りついている。裕也の奴、あんなにガチャガチャに顔をくっつけて。みっともねえ」
裕也がガチャガチャをやり、こちらに走ってくる。
「みて、みて、ハニーライブの幻のフィギュア。超レアもの。これやばいよ。やばいよ」
「知らねえよ。裕也。お前のフィギュア好きには敵わないよ」康平は言う。
「スマホ気違いの康平に言われたくない」
裕也も反論する。
「それにしても夕方まで時間がある。中華街で時間つぶすか」
そう言って、三人で中華街を歩いた。
「肉まん安いよ」
「甘栗いかがっすか」
「どうするお腹減ってないしな」健二は言う。
「占いしますよ」
康平は立ち止まった。
「占いねえ。面白そうじゃね?」
「占いやるの?」裕也は言った。
「いいだろう。時間つぶし」康平は言う。
健二と裕也は、「まあいいけど」
そう言って、康平は占い師に占ってもらった。
「お兄さん大学生?」
「三月に卒業しました」
「うん。分かっておる。私はあなたのことなら何でも分かっておる。この中華街の中でも外れることがない、占い師として有名なんだ」
「はあ。では僕の未来も分かるんでしょうか?」
「もちろん分かるとも。この水晶であなたのことなら何でも分かってしまう。じゃあズバリ当てよう」
占い師は神妙な顔をして神経を集中するように水晶に手をかざし、
「お兄さんあなたの血液型はズバリA型ですね」