詩を作りましょう
境界線
全ての事に意味を成さなくなった
自分の為だと繰りかえされる言葉に
与えられる事を
唯、熟すだけの日々
僕の心は枯れていく
自らが望む望まない
そんな事を考えたのは
初めの一時
拒否を示す僕に
「お前の為だから」
その言葉が僕を縛り始める
僕の中から
「NO」の言葉が消え
「YES」の言葉のみに
感情の薄い僕
誰からも認識されない世界
モノクロの世界に
ポツリと色を添えた君
夏の暑い日の彼の一言
「楽しいか?」
楽しいと思う心さえ無くした僕に
何が楽しいかも解らなくなった僕に
「いつも、つまらなさそうだな」
見上げた視線の先に
色鮮やかに輝く彼
僕の止まったままの時計が
カチッと音を立てた
「楽しむってなに?」
「俺と行こう」
僕の腕を取り駆け出した
夏の光の中
声を出し笑う事を
疑問を投げかける事も
拒否をする勇気も
彼と過ごす日々が
僕を人間に戻してくれた
明るい陽射しが
緩やかになる頃
彼の後ろ姿を眺めていた
彼は明るい陽射しの中
僕は憂いを含んだ重い雲の下
夏と秋の境界線の様に
僕と彼の隙間
彼との鮮やかな色の景色が
消えた今
全ての事に意味を成さなくなった