十六夜(いざよい)花火(後編)
第8章下弦の月・・・「好きなんだ」
「月が欠けていく過程での半月をいいます。半月を弓の形になぞらえ、弓に張った弦が下向きになっていることから“下弦”といい、またの名を“弓張り月(ゆみはりつき)”ともいいます。
どっちつかずの半分この状態は、いつでも恋愛につきものです。
夜空に浮かぶハーフムーンのように右に行けば暗闇、左に行けば光の下。誰にでも光と影がありそして人格が形成されています。まとめて飲み込まない限り手に入りません。
少しは大人になった中年の少年少女たちは飲み込めるのでしょうか?
大きな声で「愛してる」「好きだ」と月に向かってあなたは言えますか?」
作品名:十六夜(いざよい)花火(後編) 作家名:海野ごはん