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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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飼い主に…似るのかも…。

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『どうして、ひろみさんに肥料ちょうだいとか、お水ちょうだいとか言わないの?!』
と聞いたら、
『ママは優しい~。言わなくてもぜ~んぶしてくれる~。ここは気持ちがいい~ね~。』
と甘えた声で甘えてるし…。
ひろみさんに脇芽さんの気持ちを伝えたら、
『本当に~?!ここを気に入ってくれて嬉しい~。』
と返事が来た。
もっと厳しくしたらいいのに…と思ったら、脇芽さんが、
『毎日ヨシヨシしてくれる~。ママは優しい~。ここは気持ちがいいね~。』
と聞こえた。
本当にあの親トマトからの脇芽さんなのかと言いたくなるくらいの変わりよう。
私が疑っていたら、
『コスに会えたよ~。コスはボスだよ~。』
と会いたかったコスに会えて満足らしい。
私に関係ないのに…。

ひろみさんちへと引っ越すと植物のキャラが変わる…、それも良い方に…。
私から見て良いと思うだけで、他の人がこれを良いと言うかは分からないけど…、言葉遣いがよくなる。
どうしてこんな事になるのだろうかと考えた…。
もしかして飼い主に似るということか…。
育ててる野菜たちは鏡で、飼い主を映してたりして…。
イヤだわ~、そんなの~!!
私、もろにダメだ~。
…知りたくない…。
もしそうだとしたら、親トマトをひろみさんちに持って行ったら、めちゃくちゃいい子になるのかも…。
“こっちにも肥料を…。”
とか虐げることなく黙って、
“ありがとうございます。”
と言うのかも…。
そして小ねぎの早口も、ゆっくりになるのだろうか…。
バジルも…、ニガウリも…。
そんな事したら畑の野菜がなくなるよ~!!
でも、聞いたらみんな一斉に、
『行くーーーっ!!』
とか言うんだろうな~。
だから私は聞かない。
何かが聞こえて来てるけど、…無視…。
それが私の育て方。
こんな私の性格をここの野菜たちには映されてるのかもしれないな~。