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はちみつ色の愛人

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「ねぇ。」
口を開いたのは私だった。
陸斗は普段無口な、背の高い親友だ。
そして優しい。
一緒に涙も流したし、笑った。
でも恋愛とは違う、あくまで『親友』。
この関係はきっと崩れる事もないだろう。
私も陸斗も純粋だ。
親友同士で同棲生活ってあるでしょう。家賃を減らす為にってやつ。
私と陸斗もそんな感じなのだ。
二人とも高校生。
今は夏休み。
二人とも同じ中学校出身で幼馴染。家が近かったから仲が良かった。
高校も実家より遠いが良い高校に受かり、一緒に住む事になったのだ。
ちなみに親も公認である。まぁかなりもめたんだけど。お互い相手が相手だから勃たないし濡れないって。
「一緒に汗流そうか。」
「ばかじゃないの。僕はそういうのは・・・」
「暑いよね。夏。私はお風呂に入りたいな。」
「そういうのは彼氏としてくれ。」
「違う。えっちな事言ってるんじゃないの。私もあんたじゃ濡れないし。」


「洗いっこしようって言ってるの。」
純粋な意味で、だ。
今まで、この感情が恋なのでは、と思って迫ってみた事も何回かあった。
でも、違うのだ。
ベッドの上で愛を誓うとか、そういう事をしようと思って、脱いで、向かい合ったけど。
両方の性器は反応しなかった。
ただ二人とも、異性に欲がわかない体質というわけではないのだ。
ただ、この人とはこの関係を極めたい。それだけだった。
「・・・」
「もう裸は見た仲でしょ」
ミィ゙ンミィ゙ン
蝉が鳴いている。
じわじわ、汗が流れてゆく。
窓を開けてもゆるい風しかこない。
チリンチリン
風鈴が鳴る。
「流し合いするだけならいいよ」
「私があんたを見ても濡れないこと知ってる癖に」
「ばか。濡れなくてもローションとか、あるじゃん。」
「あんただって勃たないでしょ。」
「まぁね。」
ねっとり時間が過ぎる。
風呂を洗って、湯をはる。
暑い。
夏は暑い。
作品名:はちみつ色の愛人 作家名:藍野雅