PTAしようよ
「でも 自分たちも習ってきたのでしょうけど 一年生で八十字 二年生で百六十字。画数も多くなって大変そう」
「本当ねぇ。数や曜日 色 学校での生活に使うものから始まって 二年生で 方角や季節 お天気とか 想像の広がりを感じるようですね。ねぇ先生」
先生は、両手を前で重ねて組み 黒板の前に立った。
「昨今は インターネットなどでたくさん漢字を見たり 知らなくても変換で済んでしまいます。でも 字を書くこと そして学ぶことはとても大切だと思います。どうか みなさんもお子さんと一緒に 字を書く機会を持ってください。いっしょにイメージ遊びをしながら 活字と遊んでください。そんなお願いも含めて 今日の保護者会をしました」
すると 数人のお母さんが小さく拍手をした。
その音につられて 教室に拍手が広がった。
「もっとしてみたかったわ」
「そうですか。では宿題にいたしましょうか? ありがとうございました」
先生は黒板に「糸」と書いた。
「糸ってことは 繋いでいくってことですか?」
「いえ 小学生の思考…頭の中は織りなす想像でいっぱいです。ほぐしたり絡めたり 長く大切にしたいですね」
終業を告げるチャイムが鳴った。
先生は『PTA』と黒板に書いた。
「保護者(Parent)と先生(Teacher)団体は(Association)ありがとうですね」
『ぱぁーっと たのしく あそんじゃったね』
一同 大きな拍手をしました。
・・・・・きっとこんな感じ 漢字? 八八八八八八八八 (笑)
― おしまい ―