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樹困 奨弛
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novelistID. 59814
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黒百合の恋

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松永  「みんな早いね〜」

明智  「久遠ちゃん! レディならこれくらいは普通だよ☆」

小早川 「光。あなただってさっき来たばっかりでしょ」

明智  「てへペロ」

石田  「さて、みんなそろったことだし、そろそろ始めようか」

明智  「荒木さんがまだじゃない?」

三井  「荒木さんなら、急用が入ったとかで来ないってさ」

明智  「そーなんだじゃあ、早く行こう」

石田  「まあ、慌てないで。まずはくじでペアを決めよう」

明智  「えー、あたしは織田くんと一緒にまわりたーい」

小早川 「だめよ。そこはくじで平等に分けるんだから」

明智  「秋ちゃんだって、石田くんとまわりたいでしょ」

小早川 「あたしたちは大丈夫! だって運命の赤い糸でつながってるんだから!」

石田  「そうだね。秋ちゃん!」

松永  「それよりも、早くペアを決めましょう」

松平  「じゃあ、順番にくじを引いてくれるかい」

  一瞬暗転。

  石田と明智。松平と小早川。織田と松永。三井は1人。ペア同士は近くに並び替え。

松永  「残念だったわね。2人とも」

明智・小早川 「…………」

松平  「まあ、始めよう」

三井  「順番はどうなるだ?」

松平  「くじの番号でいいんじゃないかな」

石田  「てことは、俺たちからか」

明智  「この名前を書いた石を、一番奥のお墓までもっていけばいいのよね?」

石田  「あぁ。行くぞ」

明智  「レディを守ってね。石田くん」

  石田と明智が一緒に退場。

  残された5人は雑談。

  舞台暗転。


 墓道

  歩いてくる石田と明智。

明智  「そんなに怖くないね」

石田  「そうだな」

明智  「石田くん?」

石田  「そうだな」

  明智が立ち止まる。

明智  「石田くん!!」

  石田が驚いて立ち止まる。

石田  「あ、悪い。考え事していた」

  ステージの後ろを何かが横切る。

明智  「考えごと?」

石田  「来週、秋ちゃんの誕生日でさ。何あげたらいいかなって」

明智  「そういうことなら、あたしに任せて! レディとしてズバッと解決してあげるわ」

石田  「ありがとう。なら、さっさと石を置いてくるか」

明智  「そうね」


  2人で走って退場。

  舞台暗転。


 黒百合墓地入口

  楽しそうに話しながら、石田と明智が戻ってくる。

松平  「じゃあ、次は僕たちだね。行こう小早川さん」

小早川 「……うん」

  松平と小早川が一緒に退場。小早川は俯いている。

  残された5人は雑談。

  舞台暗転。


 墓道

  俯いている小早川と松平が歩いてくる。

小早川 「…………」

松平  「小早川さん。恋の墓の話って知ってる?」

  2人とも立ち止まる。

小早川 「恋の、は……か……?」

松平  「そう、恋の墓。ここの1番奥のお墓。石に名前を書いて、そこにお供えすると、その2人は死ぬまで一緒にいられるって話だよ」

小早川 「え……?」

松平  「石田くんは発案者だし、知ってるんだろうな」

小早川 「でも、そんなこと、なにも……」

松平  「さっき、楽しそうに戻ってきたよね?」

小早川 「う、うん」

松平  「つまり、そういうことじゃないかな?」

小早川 「……。そっかぁ……」

  ステージの後ろを何かが横切る。

松平  「それでさ。こんな時にあれなんだけどさ」

小早川 「な、なに……?」

  松平が小さな箱を差し出す。

松平  「来週、誕生日だよね? 少し早いけど誕生日プレゼント。受け取ってもらえるかな?」

小早川 「……うん。ありがと! 松平くん」

松平  「さあ、気を取り直して進もう」

小早川 「うん!」

  話ながら退場。

  舞台暗転。


 黒百合墓地入口

  話しながら、松平と小早川が戻ってくる。

松永  「次はあたしたちの番だね。行こう、織田くん」

織田  「お、おう」

  織田と松永が一緒に退場。

  残された5人は雑談。小早川は石田を避ける。

  舞台暗転。


 墓道

  織田と松永が歩いてくる。織田は松永の後ろに隠れるように。

松永  「……そんなに怖くないと思うんだけど」

織田  「お、俺が後ろから守ってるからな」

  ステージの後ろを何かが横切る。織田が気づく。

織田  「うぇい!?」

  織田は松永を盾にする。  

松永  「……どうしたの?」

織田  「い、いま、後ろを何かが」

松永  「はぁ……」

  そのまま2人は退場。

  舞台暗転。


 黒百合の墓

  松永の後ろに織田が隠れて来る。

松永  「着いたよ。織田くん」

織田  「お、おぅ。俺のおかげで無事だっただろ」

松永  「石置いて早く戻りましょ」

織田  「おう。あれ?」

  織田が石を探す。

松永  「どうしたの?」

織田  「石がない……」

松永  「はぁ……ないんなら仕方ないんじゃない」

  松永が墓に自分の石を置いて来る。

松永  「さあ、戻りましょ」

織田  「あぁ、そうだな」

  松永の後ろにつく織田。

織田  「後ろは俺に任せろ」

松永  「任せるわ……」

  そのまま2人は退場。

  舞台暗転。


 黒百合墓地入口

  織田と松永が戻ってくる。並んで。

三井  「じゃあ、行ってくるよ」

  三井が退場。

  残された6人は雑談。小早川は石田を避ける。

  舞台暗転。


 墓道

  三井が歩いている。そこに松永がやってくる。

松永  「三井くん!」

  2人とも立ち止まって話す。

三井  「久遠ちゃん。どうしてここに?」

松永  「さっきはつまんなかったからさ」

  ステージの後ろを何かが横切る。

三井  「へぇ。織田くんがビビりだっていうのは本当だったんだね」

松永  「そうなのよ」

三井  「それよりも、久遠ちゃん」

松永  「なになに?」

  2人は話しながら退場。


 黒百合墓地入口

  話しながら、三井と松永が戻ってくる。

石田  「さて、これで終わりかな」

松平  「なら、解散だね」

明智  「どうせならみんなで帰ろうよ」

松平  「確かに。途中までは一緒だしね」

織田  「じゃあ、みんなで帰るか」

  みんなで話しながら退場。

  舞台暗転。


 帰りの山道

  石田と小早川と松平と織田と明智が歩いてくる。

石田  「あれ? 三井くんと久遠ちゃんは?」

  5人とも止まる。

織田  「そいやぁ、いねぇな」

石田  「どうしたんだろうね? 秋ちゃん」

小早川 「知らない。いい感じだったし、2人っきりになりたかったんじゃない?」

石田  「秋ちゃん? なんか怒ってる?」

小早川 「ねえ。別れよう?」

石田  「え! なんでそんな」

小早川 「もう知らない。行こう、松平くん」

松平  「ああ。じゃあな、石田くん」

  小早川と松永が一緒に退場。
作品名:黒百合の恋 作家名:樹困 奨弛