黒百合の恋
登場人物
小早川 秋子〈こばやかわ あきこ〉 通称・あきちゃん。
明智 光〈あけち ひかり〉 レディたるものかくあるべし。
松永 久遠〈まつなが くおん〉 マイペース。
荒木 千重〈あらき ちえ〉 オカルトなことに詳しい。
石田 佐吉〈いしだ さきち〉 一つのことに夢中になると周りが見えない。
織田 三郎〈おだ さぶろう〉 クラス一のイケメン。モテる。
三井 長慶〈みつい ながよし〉 お調子者。
松平 元信〈まつだいら もとのぶ〉 通称・まっつん。
教室1
石田と織田と三井が話している。
石田 「肝試しをしよう」
三井 「お、いいねぇ。どこでやるんだい?」
石田 「裏山にある、黒百合墓地なんてどうだい?」
三井 「いいねぇ。いかにもって感じじゃないか」
石田 「だろ? やっぱり三井君ははなしがわかるな」
三井 「もっと褒めろ」
石田 「三井君はさすがだね!」
三井 「もっと、もっと褒めろ」
織田 「いつまでバカやってんだ。お前ら」
三井 「あ、織田くん。君も褒めたまえ」
織田 「褒めねぇよ」
石田 「織田君も行くだろ? 肝試し」
織田 「あ? 行かねぇよ。ガキじゃあるめぇし」
三井 「あ、もしかして怖いの?」
織田 「そ、そんなんじゃねぇよ!!」
三井 「じゃあ、行こうよ」
織田 「行かねぇよ。第一、男ばっかりで肝試しなんかしてもつまんねぇだろ」
石田 「じゃあ、女子も誘うからいこうよ」
織田 「……行かねぇ」
石田 「秋ちゃんに頼んで、光ちゃんや久遠ちゃんも誘ってもらうから。行こうよ」
三井 「石田! ナイス!」
サムズアップか〜ら〜のハイタッチ。
石田 「お前の目的は久遠ちゃんだろ?」
三井 「もちのろん。愛しの久遠様と一緒に肝試し……石田。お前最高だぜ!!」
織田 「俺は行かねぇぞ……」
石田 「織田君は強情だなぁ。光ちゃんと一緒に肝試し。本当は行きたいんでしょ?」
織田 「な、な、なんでそこで、あいつの名前が出てくんだよ!?」
石田 「好きなんでしょ? バレバレだよ?」
織田 「…………」
赤面して崩れる。
三井 「あきらめていこうぜ、織田」
織田、立ち上がる。
織田 「ああ、もう! わかったよ! 行ってやるよ! 言っとくけどな! 肝試しなんて全然(強調)怖くねぇし! あいつが来ても来なくても関係ないんだからな!
石田 「おっけい。じゃあ、秋ちゃんに連絡してくるよ」
石田が携帯電話を取り出して、いじりながら退場。
舞台暗転。
教室2
明るくなる。
小早川と松永と荒木が話している。
小早川の携帯電話に着信。
小早川 「あ、ダーリンから電話だわ?」
松永 「はいはい。のろけはいいから早く出なさいよ」
小早川は電話に出る。
小早川 「なになに〜。え、マジで〜? うん。おっけ〜。え、光? いないけど、大丈夫だと思うよ〜。うん、わかった。ちょっと待っててね〜」
小早川は電話を切る。
小早川 「久遠ちゃん。肝試し行こう」
松永 「肝試し? 今の電話となんか関係あるの?」
小早川 「なんか〜。ダーリンが〜、肝試しを企画して〜女子にも来てほしいんだって〜」
松永 「ふーん。男子は誰が来るの? 石田くんはわかるけど」
小早川 「あとは〜、織田くんとみ
松永 「行くわ。絶対行くわ」
小早川のセリフを遮るように。
小早川 「あれ〜? もしかして、久遠ちゃん。織田くんに気があるの?」
松永 「ひ・み・つ。とにかく、絶対に行くから。日程が決まったら教えなさいよ」
小早川 「了解〜」
荒木 「あたしも行っていい?」
小早川 「うん? いいと思うよ〜」
荒木 「じゃあ、あたしも行くね」
松永 「ふーん。もしかして、千重ちゃんも織田くんに気があるの?」
荒木 「別に。そんなんじゃないし」
小早川 「そっかそっか。じゃあ、久遠ちゃんも千重ちゃんも行くってことで伝えとくね〜」
小早川は携帯を取り出す。石田に電話を掛ける。
小早川 「あ、もしもし〜。こっちは決まったよ〜」
小早川はしゃべりながら退場。
舞台暗転。
教室1
石田は電話。織田と三井は話している。
石田 「了解」
石田が電話を切る。
石田 「女子は、秋ちゃんと光ちゃんと久遠ちゃんと荒木さんが行くって」
三井 「荒木さんも来るのか……」
石田 「なにかあるの? 三井君」
三井 「いや、ちょっと苦手なんだよね」
石田 「うん。まあ、わからなくはないけど。断るのも可哀想じゃん」
三井 「断れとはいってないけど」
織田 「それよりだ。向こうが4人がいるのに、こっちは3人でいいのか?」
石田 「それもそうだね。誰か1人誘おうか」
教室1に松平が入ってくる。
三井 「あ、まっつんじゃん。ちょうどいいところに」
松平の周りに集まる一同。
松平 「なんだよ。僕は忘れ物を取りに来ただけなんだが」
石田 「実はさ。肝試しをすることになったんだけど、人数が足りなくてさ。是非、まっつんに来てほしいんだ」
松平 「肝試し? 人数が足りないってどういうことだ?」
三井 「男子が1人足りないんだよ」
松平 「女子も来るのか」
三井 「秋ちゃんと光と久遠様と荒木さんだよ」
松平 「へぇ。それは使えそうだな……」
三井 「え? 使えそう?」
松平 「あーいや、なんでもない。僕でよかったら行くよ」
石田 「助かるよ、まっつん」
松平 「それよりも、三郎も行くのか? お前、確か
織田 「なんのことかなぁ? 松平君?」
松平のセリフを切るように、威圧的に。
松平 「な、なんでもない、です……」
三井 「まあ、面子も決まったし、細かいことを考えよう」
松平 「それなら、1つ考えがあるんだけど、いいかな」
石田 「いいよ、なんだい?」
4人で話しながら、舞台暗転。
ナレ 「そして、肝試しの日は訪れた」
黒百合墓地入口。
石田と小早川と織田と三井と松平が立っている。
明智が走ってくる。
明智 「ごっめーん。遅くなったー!」
小早川 「光、大丈夫だよ。まだ、待ち合わせの時間より前だもん」
明智 「いや、レディとして10分前には到着してるはずだったので☆」
小早川 「はいはい」
明智 「もー。秋ちゃん冷たいよー。まだ肝試し始まってないのに、寒いよー」
三井 「相変わらず元気だね。光」
明智 「あ、織田くん! 今日はよろしくね!」
明智は織田のほうに駆け寄る
三井 「スルーかよ……」
織田 「あ、あぁ。よろしく」
明智 「あたし〜お化けとか苦手だから〜助けてね?」
織田 「お、おう。ま、まか、まかせておけ」
石田 「照れちゃって」
織田 「うるせ」
松永が歩いてくる。
小早川 秋子〈こばやかわ あきこ〉 通称・あきちゃん。
明智 光〈あけち ひかり〉 レディたるものかくあるべし。
松永 久遠〈まつなが くおん〉 マイペース。
荒木 千重〈あらき ちえ〉 オカルトなことに詳しい。
石田 佐吉〈いしだ さきち〉 一つのことに夢中になると周りが見えない。
織田 三郎〈おだ さぶろう〉 クラス一のイケメン。モテる。
三井 長慶〈みつい ながよし〉 お調子者。
松平 元信〈まつだいら もとのぶ〉 通称・まっつん。
教室1
石田と織田と三井が話している。
石田 「肝試しをしよう」
三井 「お、いいねぇ。どこでやるんだい?」
石田 「裏山にある、黒百合墓地なんてどうだい?」
三井 「いいねぇ。いかにもって感じじゃないか」
石田 「だろ? やっぱり三井君ははなしがわかるな」
三井 「もっと褒めろ」
石田 「三井君はさすがだね!」
三井 「もっと、もっと褒めろ」
織田 「いつまでバカやってんだ。お前ら」
三井 「あ、織田くん。君も褒めたまえ」
織田 「褒めねぇよ」
石田 「織田君も行くだろ? 肝試し」
織田 「あ? 行かねぇよ。ガキじゃあるめぇし」
三井 「あ、もしかして怖いの?」
織田 「そ、そんなんじゃねぇよ!!」
三井 「じゃあ、行こうよ」
織田 「行かねぇよ。第一、男ばっかりで肝試しなんかしてもつまんねぇだろ」
石田 「じゃあ、女子も誘うからいこうよ」
織田 「……行かねぇ」
石田 「秋ちゃんに頼んで、光ちゃんや久遠ちゃんも誘ってもらうから。行こうよ」
三井 「石田! ナイス!」
サムズアップか〜ら〜のハイタッチ。
石田 「お前の目的は久遠ちゃんだろ?」
三井 「もちのろん。愛しの久遠様と一緒に肝試し……石田。お前最高だぜ!!」
織田 「俺は行かねぇぞ……」
石田 「織田君は強情だなぁ。光ちゃんと一緒に肝試し。本当は行きたいんでしょ?」
織田 「な、な、なんでそこで、あいつの名前が出てくんだよ!?」
石田 「好きなんでしょ? バレバレだよ?」
織田 「…………」
赤面して崩れる。
三井 「あきらめていこうぜ、織田」
織田、立ち上がる。
織田 「ああ、もう! わかったよ! 行ってやるよ! 言っとくけどな! 肝試しなんて全然(強調)怖くねぇし! あいつが来ても来なくても関係ないんだからな!
石田 「おっけい。じゃあ、秋ちゃんに連絡してくるよ」
石田が携帯電話を取り出して、いじりながら退場。
舞台暗転。
教室2
明るくなる。
小早川と松永と荒木が話している。
小早川の携帯電話に着信。
小早川 「あ、ダーリンから電話だわ?」
松永 「はいはい。のろけはいいから早く出なさいよ」
小早川は電話に出る。
小早川 「なになに〜。え、マジで〜? うん。おっけ〜。え、光? いないけど、大丈夫だと思うよ〜。うん、わかった。ちょっと待っててね〜」
小早川は電話を切る。
小早川 「久遠ちゃん。肝試し行こう」
松永 「肝試し? 今の電話となんか関係あるの?」
小早川 「なんか〜。ダーリンが〜、肝試しを企画して〜女子にも来てほしいんだって〜」
松永 「ふーん。男子は誰が来るの? 石田くんはわかるけど」
小早川 「あとは〜、織田くんとみ
松永 「行くわ。絶対行くわ」
小早川のセリフを遮るように。
小早川 「あれ〜? もしかして、久遠ちゃん。織田くんに気があるの?」
松永 「ひ・み・つ。とにかく、絶対に行くから。日程が決まったら教えなさいよ」
小早川 「了解〜」
荒木 「あたしも行っていい?」
小早川 「うん? いいと思うよ〜」
荒木 「じゃあ、あたしも行くね」
松永 「ふーん。もしかして、千重ちゃんも織田くんに気があるの?」
荒木 「別に。そんなんじゃないし」
小早川 「そっかそっか。じゃあ、久遠ちゃんも千重ちゃんも行くってことで伝えとくね〜」
小早川は携帯を取り出す。石田に電話を掛ける。
小早川 「あ、もしもし〜。こっちは決まったよ〜」
小早川はしゃべりながら退場。
舞台暗転。
教室1
石田は電話。織田と三井は話している。
石田 「了解」
石田が電話を切る。
石田 「女子は、秋ちゃんと光ちゃんと久遠ちゃんと荒木さんが行くって」
三井 「荒木さんも来るのか……」
石田 「なにかあるの? 三井君」
三井 「いや、ちょっと苦手なんだよね」
石田 「うん。まあ、わからなくはないけど。断るのも可哀想じゃん」
三井 「断れとはいってないけど」
織田 「それよりだ。向こうが4人がいるのに、こっちは3人でいいのか?」
石田 「それもそうだね。誰か1人誘おうか」
教室1に松平が入ってくる。
三井 「あ、まっつんじゃん。ちょうどいいところに」
松平の周りに集まる一同。
松平 「なんだよ。僕は忘れ物を取りに来ただけなんだが」
石田 「実はさ。肝試しをすることになったんだけど、人数が足りなくてさ。是非、まっつんに来てほしいんだ」
松平 「肝試し? 人数が足りないってどういうことだ?」
三井 「男子が1人足りないんだよ」
松平 「女子も来るのか」
三井 「秋ちゃんと光と久遠様と荒木さんだよ」
松平 「へぇ。それは使えそうだな……」
三井 「え? 使えそう?」
松平 「あーいや、なんでもない。僕でよかったら行くよ」
石田 「助かるよ、まっつん」
松平 「それよりも、三郎も行くのか? お前、確か
織田 「なんのことかなぁ? 松平君?」
松平のセリフを切るように、威圧的に。
松平 「な、なんでもない、です……」
三井 「まあ、面子も決まったし、細かいことを考えよう」
松平 「それなら、1つ考えがあるんだけど、いいかな」
石田 「いいよ、なんだい?」
4人で話しながら、舞台暗転。
ナレ 「そして、肝試しの日は訪れた」
黒百合墓地入口。
石田と小早川と織田と三井と松平が立っている。
明智が走ってくる。
明智 「ごっめーん。遅くなったー!」
小早川 「光、大丈夫だよ。まだ、待ち合わせの時間より前だもん」
明智 「いや、レディとして10分前には到着してるはずだったので☆」
小早川 「はいはい」
明智 「もー。秋ちゃん冷たいよー。まだ肝試し始まってないのに、寒いよー」
三井 「相変わらず元気だね。光」
明智 「あ、織田くん! 今日はよろしくね!」
明智は織田のほうに駆け寄る
三井 「スルーかよ……」
織田 「あ、あぁ。よろしく」
明智 「あたし〜お化けとか苦手だから〜助けてね?」
織田 「お、おう。ま、まか、まかせておけ」
石田 「照れちゃって」
織田 「うるせ」
松永が歩いてくる。