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レイドリフト・ドラゴンメイド 第16話 融和と痛み

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 手足をうすく切ることで戦闘力を奪う、彼の異世界冒険の成果だ。

【そんな! あれを破ったの!? 】
 智慧が、硬直したように立ち止まってそう叫んだ。
「あれって?」
 達美があわてて聴いた。
【ルルディ騎士団の黒い炎! 3種族があんまり暴れるから、黒い炎で固めていたの! 】
 それを聴いた時、達美の背に冷たい物が走った。
 魔法火。ルルディ騎士団が使う変幻自在にして強固な魔法。 
 自らの魔力を黒い炎に変え、空間そのものを書き換える、最後の切り札。

 達美は想像した。
 この男は、足首から下を硬化させた魔法火に覆われていた。
 それを、地中竜の筋力で引き抜いた。
 そして、彼を人間に擬態させていたボルケーニウムは衝撃に弱い。
 魔法火の拘束から逃れた時点で、擬態は破壊さる。
 どれほどの痛みだったのか。
 達美には想像もできなかった。