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てっしゅう
てっしゅう
novelistID. 29231
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「時のいたずら」 第五話

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「藤のも見せてくれ」

「見るものではございません」

「どうして?」

「恥ずかしいからです」

「ボクの見たじゃない?ボクもみたいんだよ」

「ではお納めください」

「いいね、そういう言い方、ハハハ~」

「いじわるなのですね優斗さんは」

「いいや、藤のことが好きなんだよ。だから焦らしているんだ」

「どうしてよいのか解りません。もうここから出とうございます」

「そうだな。仕事にも行く時間だし。続きはまたにしよう」

「続きですか?藤で宜しいと思われるのですね」

「何度も言わせるなよ。二人しか居ないだろう。俺が帰って来るまで我慢してろよ」

「はい、お帰りを心からお待ちしております」

「なあ、普通に話そうよ。敬語は要らないよ」

「慣れておりませんので」

「外に出たらそんな風に話していると変にみられるし、笑われるぞ」

「では喋りません。頷くだけにします」

「それも困るけど、慣れるまでは仕方ないな」

優斗は不安が残ったが山川美術館の夜間警備の仕事に出かけて行った。
職場では昨日深夜の出来事が嘘のように閉館後の後片付けと、初日のレセプションが行われたレストランで館長たち数人が反省会と称して酒を飲んでいた。

「いい気なもんだな、あの人たちは」

もう一人の警備員島村にそうつぶやいた。

「杉村くん、まあまあそう言うなよ。黙っていた方がゴタゴタにならないから、これでいいんだよ」

「先輩、確かにそうですが。ご苦労様の言葉ぐらい欲しいですよね~」

「当たり前の仕事をしているんだから、褒められることなんてそうそうないよ。警備ってそういう仕事なんだ」

「おれたちが警察官に一々ありがとうって言わないのと同じなのかな」

「近いね。でも問題が起こると文句言われるから割が合わないとは思う時があるけどな」

「ですよね。俺なんか・・・割に合わないことしている」

「どういうことだ?杉村くん」

「あっいえ、独り言です。すみません」

「なら、いいけど。不満を口に出すのは控えた方が良いよ」

「はい、今日も頑張ります」

優斗は島村の顔を見て笑いそうになっていた。