小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

ねとげ~たいむ外伝 ~in,lunry,story~

INDEX|4ページ/33ページ|

次のページ前のページ
 


 ゲームがスタートした。
『登録ありがとうございます。オンライン・キングダムを心行くまでお楽しみください』
 タイトルロゴが消えると画面が暗くなり、中央に『NOW LOADING』の文字が浮かび上がった。
 
 私は船に乗っていた。
 現実世界じゃすごく珍しい木製の帆船、大きなマストいっぱいに風を受けて飛沫を上げながら海の上を進んでいた。
 この私『ルナ』は甲板の上に立っていた。
 青い瞳と腰まであるツインテールの髪、丈夫な皮を塗い合わせて作られたワンピースの腹部をベルトで締め、短めの剣を左腰に携えて茶色の皮の長靴を履いたアバターがこの世界での私の姿だった。
『陸が見えたぞ―っ!』
 マストの上の船員が叫んだ。
 私は船首へ向かう。
 すると海の向こう広がる大陸に大小様々な建物が立ち並んでいた。
 あれが冒険の舞台である『パラディス王国』だった。
 船はやがて港に停まり、私は多くの人達と供に船を降りた。
 
 港を出ると街中を歩きながらみんなのとの待ち合わせ場所に向かった。
 待ち合わせ場所はクエスト受注所であるお城だった。
 このお城の王様は世界中から冒険者を募集し、1階フロアを丸々冒険者専用に提供しているらしい、何と太っ腹な。
 クエスト受注所の他にアバター同士を戦わせる闘技場、情報提供の酒場(チャット・ルーム)、まだ使えないけど転職所まである。
「みんな遅いな、何やってるんだろ?」
 約束の時間からすでに10分は経過している。
 私は見回した。
 周囲には私と同じゲームをプレイしているユーザー達がたくさんいた。
 恐らくお城を待ち合わせにしているんだろう、目立つから考える事は皆同じだった。