ねとげ~たいむ外伝 ~in,lunry,story~
エピローグ
それから少し時が過ぎた。
茜の元に高校合格通知が届いた。
家が近いから4月になれば後輩として高校に入学してくる。
そしてオンライン・キングダムが創立一周年記念として特別クエストを配信する事になった。
4月第1日曜深夜0:00〜3:00までの3時間、ランク・レベル問わずに全ユーザー参加のクエストに私達も出るはずだった。
『小テストが赤点だったの親にバレたっス〜(泣)、ゲーム禁止くらったっス〜(哀)』
『御免なさい、用事ができて参加出来なくなったわ』
『弟が熱出したの、病院行かなきゃいけないからゲーム出来ない』
『サークルの仲間と今度の新刊の準備しなきゃいけなくなった』
4人とも用事で出れなくなった。
「ったく、私1人でやれっての?」
そりゃ別にやれない訳じゃない。
でも1人でやっても意味なんて無い、むしろ皆と差が出来てしまう。
私はスマホをベットの上に放り投げてパソコンを消そうと思った瞬間だった。
「お姉ちゃん」
茜が私の部屋のドアをノックして来た。
茜は私の部屋に入るのが苦手な為に私が開けるようにしている。
そりゃ少しは人の部屋より散らかってるのは認めるけど、あろう事かあいつは『腐海の森』とか『夢の島』だのとデリカシーの無い事を言って来る…… 茜は決して悪い人間じゃ無い、でも茜には人間的感情がかけていた。
私が廊下に出ると大きな荷物を足下に置いていた。
自然にそっちの方に目が言って茜に尋ねた。
「何これ?」
「お爺ちゃんから、パソコンみたい」
「えっ?」
私はダンボールを開けて見る。
そこには私のとは少し違うけどデスクトップのパソコンが綺麗に包装されて収まっていた。
「あ、そうだ。茜……」
私は茜に提案した。
そこから新しい冒険が始まった。
作品名:ねとげ~たいむ外伝 ~in,lunry,story~ 作家名:kazuyuki