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ねとげ~たいむ外伝 ~in,lunry,story~

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 それから数日後、茜の元にパソコンが届く1週間ほど前…… 私はランク3へ上がる為のランクアップ・クエストを受けた。
 今回受けたのは討伐『蘇る魔獣達』だった。
 魔導士ギルドより『ネガの魔鏡』と呼ばれる物が盗まれた。
 通常の鏡は映した人や物の姿形を映し出すが、その魔鏡は人の心の奥底に潜む『恐怖』を映し出すと言う物だった。
 かつてパラディス国は国土は狭い物の豊富な資源と海洋貿易が盛んな事から他国からの侵略を受ける事が度々あった。
 しかし先々代のパラディス国王は侵攻の妨げとして配下の魔導士達に命じてネガの鏡を作らせ、敵国を打ち倒す事に成功した。
 平和な世の中となって不要になったネガの魔鏡は後に造られた魔導士ギルドによって封印されていたのだけど、反王国テロ組織『ディスパイア』に盗まれたと言う。
 ディスパイアは郊外にある遺跡を拠点とし、そこに突入してネガの魔鏡を奪還するのが今回のクエストだった。

 私達はディスパイアのアジトへやって来た。
 いつどの時代って設定は無しにしても、覆い茂った森の中に削った石を重ねて作られた建造物に苔が生え、無数の大きく育った樹木が覆いかぶさって気根が絡まったようなデザインの遺跡だった。
 遺跡内に入ると石造りの天井や壁にも根を生やしていた。
 勿論敵も待ち構えていた。
 白いローブ、目の部分が3本の黒いラインの様になった複眼の仮面で顔を隠し、首から黒い入道雲に稲妻のようにギザギザに尖った目と口の白くて丸いメダリオンを首から下げたディスパイアの兵士達だった。
 剣を持って攻撃してくる者、杖を持って魔法を唱える者、弓を構えて矢を放って来る者等が私達の前に立ち塞がった。
 武装や体の色だけを変えてキャラを多くしようとする経費削減と言ったら身も蓋も無いけど、それらを打ち倒しながら遺跡の奥へ奥へと進んで行った。
「ってかさ、これアタシ達のやる事か?」
 ルキノが言った。
 その意見は最もだった。
 あくまで私達は冒険者、モンスター討伐や土地の開拓などは手助けしても国の治安にまで手を貸す必要は無かった。
 こう言ったのは国に勤める警備団や騎士団等がやるべき仕事だった。
「でもこれ終わらせないとランク3には行けないんだし…… 仕方ないんじゃない?」
「そうっス、そうッス! 困ってる人がいたら助けましょうって、お母さんに習わなかったっスか?」
「いや、ルキノの言う通りよ。国は国民から税金取ってんだから、せめてそれくらい働けってのよ」
 テリオは手厳しかった。