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ねとげ~たいむ外伝 ~in,lunry,story~

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プロローグ



 あれは茜がパソコンを買ってもらう数ヶ月ほど前の話しだった。

二学期半ば、中間テストが終わってすぐの事だった。
この私、宮崎・蒼が所属するラクロス部は2チームに分かれて試合をしていた。
 仲間からボールを受け取った私は相手チームの妨害を掻い潜り、相手ゴールに向かって走るとボールの入ったラケットを振り下ろした。
「はあっ!」
 ボールは見事ゴールイン、私達の勝利となった。
「やった〜っ!」
 味方の子達も皆喜んだ。
 一方相手チームの子達はため息を零しながら肩を落とした。
チームだけどこれは勝負だ。潔く諦めて貰おう。

 勝負は私のチームの勝ちだった。
 1年の私達がグラウンドの後片付けをしている時だった。
「蒼が相手じゃ勝ち目ないっス〜」
「ホント、マジで最悪」
 2人の女子生徒が私に愚痴った。
1人は背中まである長い髪の一部を両耳の上で結んだツーサイドで語尾に『っス』と付いた方は兎川・萌、もう1人は短く切った後ろ髪が鋭い棘のようになった尾上朋香だった。
 萌は小学校からの付き合いの…… 早い話が幼馴染と言う奴で、朋香はラクロス部に入ってから知り合った。
 すると別の生徒達が口をはさんで来た。
「くじ引きで決まったんだからしかたないでしょう、恨むならラッキーを恨みなさいな」
「でも正直私も…… 蒼とやるのは勘弁だわ」
 1人は前髪を切り揃えて長い髪をうなじ辺りで1つにまとめた亀谷唯月、もう1人は癖っ毛で短い髪の蟹沢望だった。
 唯月はこの高校に上がって偶然席が隣になったので知り合い、望は中学時代に知り合った。
 ちなみにラッキーとは私達の顧問である寿幸子のあだ名だった。
 しかし名前とは裏腹に婚期を逃してしまい、30過ぎて独身と言うアンラッキーとなってしまった。