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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「背徳の恋愛」 初めての不倫 第二話

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和子は相手の指示通りに毎週行われている練習会を見学してから入会を決めると返事して電話を切った。
自宅から車で15分ぐらいの場所にある公民館でその練習会は行われていた。
15人ほどのメンバーに拍手で歓迎されて、電話に出たマネージャーをしている女性に促されるように席に着いた。

「みなさん、今日は見学に来て頂いた和子さんを紹介します。先日の発表会をご覧になられて興味を持たれたそうで、きっと入会して戴けると思いますが知っている曲の楽譜を貸してあげて唄って戴きましょう。いいですよね?」

もちろんそこに居た全員が笑顔で拍手をしてOKした。
何曲か候補を出して楽譜の用意があるもので和子は歌わせてもらうことになった。
ステージに居並ぶバンドマンたちに頭を下げて、やがて静かに伴奏は滑り出した。
カラオケのように歌詞が動かないからイントロを十分聞いて自ら歌い出さないといけなかった。

一度やり直しをして二度目には唄い出しが上手くいった。
あっという間の二コーラスが唄い終わって、みんなが拍手をしてくれたので元の自分に戻れたが、唄っている途中は夢中になっていて周りの様子は目に入らなかった。

「なかなか上手ですよ。是非ご一緒しましょう」

バンマスのその言葉に和子は頷いた。
その日から毎週木曜日の夜の時間は公民館での歌の練習となってゆく。
何が唄いたいのか自分で選んでバンド用に楽譜を用意しなければいけなかった。自分で探して持ってくるメンバーが多かったが、そんなことが出来ない和子はどうしようか迷っていた。

「和子さん、良かったらこちらで譜面は用意するので唄いたい曲を何曲かピックアップして教えてください。次回の時にお渡ししますよ」

助け舟を出してくれた一人の男性に和子は、

「すみません。ではよろしくお願いします」

と返事して、三曲ほど題名を言ってその日は電話番号を教えて家に帰った。
彼は沢田と言う歳は同じか少し上のちょっとタイプの容姿をしていた。
歌もうまい。教えてもらえることが出来たらいいなあ、とその時は軽く考えていた。