更新日時:2016-05-25 21:23:44
投稿日時:2016-04-05 20:02:01
思い出が詰まった部屋を出よう
作者: 楡井英夫
カテゴリー :恋愛小説(純愛)
総ページ数:1ページ [完結]
公開設定:公開
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著者の作品紹介
「この思い出が詰まった部屋を出たら、どうだ?」
「ここを出てどこへ行けばいい?」
「どこでもいいさ。海が見える所でも、どこでも」
「ここを離れたら、たぶん、生きていけないよ。妻との思い出が、この俺を現実に留めている。それが消えたら、留めていたものが消え、まるで風船のように宙に浮いてしまう。そうなったら、死ぬよ」と高村は自嘲気味に笑った。
「新たな出会いを探せば?」
「そんな気力はなくなったよ。この部屋を見れば分かるだろ」
高村は何とも言えない寂しい笑みを浮かべた。
「ここを出てどこへ行けばいい?」
「どこでもいいさ。海が見える所でも、どこでも」
「ここを離れたら、たぶん、生きていけないよ。妻との思い出が、この俺を現実に留めている。それが消えたら、留めていたものが消え、まるで風船のように宙に浮いてしまう。そうなったら、死ぬよ」と高村は自嘲気味に笑った。
「新たな出会いを探せば?」
「そんな気力はなくなったよ。この部屋を見れば分かるだろ」
高村は何とも言えない寂しい笑みを浮かべた。