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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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無駄にススメ!ブレスレット!

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「便利じゃとは思うがなぁ……。
 わしに使いこなせるか不安じゃ」

ああ、そうなんだ。
それは考え付かなかった。

俺は今まで性能を説明するばかりで
使いこなせるかどうかなんて気が回らなかった。
というか、使う相手の気持ちも考えてなかった。

「わからなくなったら電話してください。
 24時間いつでも、どんな小さなことでも対応しますから」

「ふむ……」

おじいさんは時間を確認するように
ちらりと自分の手首に視線を落とした。

「わかった、買おう」

その家の帰り道の足取りは軽かった。
ついに初めて1台オーブン掃除機を売ることができた。

「リストラ回避! ばんざーーい!!」

会社に帰って報告すると、上司は戦慄した。

「あれが……売れただと……!?」

以来、社内での俺を見る目は変わり
俺の生活スタイルも大いに変わった。

仕事だけしか見えていない狭い世界ではなく
明らかに関係のないムダなことも手を出すようになった。

「だって、なにが活きるかわからないんだから!」


※ ※ ※

時間は戻って、
オーブン掃除機のセールスマンが営業をしているとき。

「おじいさんは、どう思いますか?」

「便利じゃとは思うがなぁ……。
 わしに使いこなせるか不安じゃ」

「わからなくなったら電話してください。
 24時間いつでも、どんな小さなことでも対応しますから」

「ふむ……」

さて、どうやって断ろうものか。
勢いで家に上げてしまったものの、
相手を傷つけずにうまく断る方法が思いつかない。

そのとき、おじいさんのブレスレットの液晶に文字が流れた。


"絶対使わないものを、1つ買ってください。
さもなくば、あなたの手首を吹っ飛ばします"


「わかった、買おう」

おじいさんは脂汗を流しながら、セールスマンに応えた。