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シスターと物乞い 前編

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ノリータはその汚い屋敷を離れた。物乞いが施設暮らしと聞いてノリータは彼を他人とは思えなかった。ノリータ自身も8歳で親と離れ、18歳まで施設で育ったのだ。そこで毎日聖書を読んでいた。ノリータは成績が優秀だったので修道院にはいる事が出来た。紙の住所215west94th streetと書かれている。地下鉄の96ストリートを降りて、歩いてそこへ向かった。そこに一軒の小さな屋敷を見つけた。どういう訳か、その屋敷に見覚えがあるのだ。不思議に思ったノリータはオフィスワードに行ってその屋敷について調べた。そこでそこの職員から聞かされたことはノリータをひどく驚かせることだった。

職員   :あの屋敷はあなたが施設に入る前に親と共に住んだ家であり、あなたの親は事業で失敗してから、あなたとあなたのもう一人の弟を施設に預けました。同じ施設であればよかったのに、どういう訳かノリータさん。あなたとあなたとの弟は別々の施設に預けられ、生き別れをしたのです。そうとしか考えられません。この写真の方は確かにあなたの父なのですね?
ノリータ :はい、そうです。
(ノリータは独り言で):彼の住んでいた家は、私の住んでいた家。あの物乞いは、私の弟だったんだわ。